今回は、2021年12月20日から適用されるUberEats(ウーバーイーツ)の配送料(報酬)の算定方法の改定について解説していきます。
尚、改定後の日跨ぎクエストについては以下の記事にて解説しています。

報酬の改定内容とは
それでは早速具体的な報酬の改定内容について解説していきます。
遂にスリコが消滅する?
新報酬体系になってからは300円(スリーコインズ、スリコ)が最低報酬額となり、特にオフピークの時間帯には300円になることが多々見受けられ、最近では特にその300円になる頻度が増し多くの配達員から日々不満が絶えない状況となっており、その声はUberEats運営側にも多く寄せられたのではないかと予想されます。
そうした配達員からの問い合わせも考慮したのかUberEatsから以下の内容で報酬を見直すと通達がきました。
今後、全体として、300円を超える配送料が支払われる配達が発生する頻度を増やす一方で、300円の配送料が支払われる配達が発生する頻度が少なくなるよう、配送料の算定方式における計算要素を調整します。
内容を見る限りは300円の報酬が今よりも減少するということであって完全になくなるというわけではありません。
重要なのは「配送料の算定方式における計算要素を調整する」ということであって、この新たな計算要素によって今後の報酬が決まるという事で、時間帯に依存するものなのか・距離に依存するものなのか はたまた配達員の数に依存するものかで、今よりも得する配達員・損する配達員の割合も変わってくるかと予想されます。
ただ、新報酬体系後からは基本的に報酬単価はブラックボックス化してしまったので報酬改定後もどの計算要素が変わったのか分からないこともあり、これについては実際に自分で配達して確認していくしかないと思われます。
※旧報酬体系と新報酬体系の違いについては以下の記事をご参照ください。

日跨ぎクエスト報酬も改定?
今回の改定で もう一つ見逃してはいけないのは日跨ぎクエストの仕様変更も示唆している通達があり、その通達内容は以下となります。
この改定に伴い、一部のエリアにおいて選択式クエストの改訂も行います。配達パートナーの皆様におかれては、クエストを毎週選択することなく、毎週金曜日に、あらかじめ指定された1つのクエストがドライバー用アプリに表示されるようになります。
上記のことから今後の日跨ぎクエストは現行の月~木、金~日の2回から、月~日の週1回になる模様で毎週金曜日に全配達員に共通のクエスト(エリア毎にクエスト内容は異なる?)となるようです。
全配達員が共通のクエストということで今後はクエストを選択する必要がなくなり一定の設定回数を達成するごとに報酬が上がって仕組みに変わるのではないかと思われ、設定回数に関しては現在のような細分化されたものではなく[170回][120回][70回]という具合に設定回数の段階も少なくなるのではないかと。
また、上記の内容以外に以下の通達もありました。
これらの改定を通じて、配達パートナーの皆様におかれては、必ずしもクエストの達成に左右されずに、基本料金を含む配送料として受け取ることができる収入額を安定・増加させることができるようになり、より多くの働き方にも適合できるようになると考えております(クエストが未達成であれば、クエストとして受け取る収入が減少することになる可能性はございます)。
上記の通達内容通りに報酬改定が行われるのであれば、報酬単価が上がる代わりに日跨ぎクエスト報酬は現行と比べて激減する可能性が高く、専業組よりも副業組の方が恩恵を受けやすい環境になるかもしれません。
報酬改定の日程及び場所について
上記の改定がいつから、そしてどこで実施されるのかを解説していきます。
報酬改定の適用日
報酬改定は本記事の冒頭で話したように2021年12月20日から適用されます。
報酬改定の対象エリア
報酬単価の改定については12月20日より全国一斉に適用されますが、日跨ぎクエストについては東京、横浜、大阪、福岡、京都、神戸、広島、仙台、岡山にて適用され、それ以外のエリアについては適用時期は未定となっています。
配達員が注意すべき点
今回の報酬改定にあたり、2021年12日20日は普段稼働しない配達員もこぞって配達する可能性があり、当日は注文が入りにくことが予想されるので、鳴りが渋くなることを覚悟しておきましょう。
実際に新報酬体系が適用された2021年5月10日の東京は皆がこぞって稼働したせいなのか鳴りが渋い一日でもありました。
ただ、5月の新報酬体系適用の時期は配達しやすい気候である閑散期であったのに対し、次に改定の12月は寒い気候で繁忙期でもあり普段稼働していない人が急に配達するということも考えにくいので、鳴りは現状と大して変わらないかもしれません。
とにかく12月20日が極寒になってくれることを期待しましょう(笑)
本件に関するサポート問い合わせ
今回の報酬改定にあたりUberEasのサポート問い合わせの電話専用窓口が開設され、12月16日から当面の間利用可能になるとの事です。
上記のサイトから事前に電話問い合わせの日時予約が取れますので、12月20日からの報酬改定について問い合わせしたいことがあればご活用してみてはいかがでしょうか。
今後の展開について
最後に今後のUberEatsの展開及び日本のフードデリバリ業界の配達員にとっての展開については私なりの所感を述べていきます。
今後のUberEatsの報酬は良くなる?悪くなる?
今回の報酬改定にあたり、私の見解では今後、ごく一部の配達員は報酬が増え、大半の配達員は現行と同等か減少するのではないかと思われます。
上記の改定内容通りに報酬が適用されればクエストの最大回数を達成できる専業の配達員がクエスト報酬の恩恵を受け、中途半端な回数をこなす配達員はクエストの恩恵は激減し もしかするとクエスト報酬は無しに等しくなるのではないかと。
それと配達件数が少なくクエスト報酬とは無縁な配達員は、普段からクエスト報酬がなく報酬単価に依存していることから、改定内容通り報酬単価が上がれば今よりも微弱ではありますが報酬アップするのではないかと予想されます。
具体的な改定後の報酬は12月20日になってみないと分かりませんが、これまでのUberEatsの報酬体系変更の流れを見ていると報酬の仕組みが変わる度に全体的には配達員の報酬減となり今よりも良くなる可能性は低いと思われます。
ワンチャン 現状の出前館のインセンティブが高額のため、UberEatsもそれに対抗して配達員確保に注力してくれるのではと 期待もあります。
ただ、正直なところ出前館の高額インセンティブは出前館送料無料キャンペーン終了(2022年1月末)後に大幅減少する可能性が高く、それ以降も定期的に高額インセンティブで配達員確保を継続していくかと思いますが、そうした資金も近いうちに尽きると思われ出前館は高額インセンティブどころか基本報酬すら減る可能性があります。
そういった事情は一配達員である私にも予想できてしまうわけで、それをUberEatsが把握していないはずもなく、無理に今対抗しなくても向こうが勝手に自滅してくれるとUberEats自身も見込んでおり、むしろ利益確保のために配達員の報酬を減らすこと率先しておこなうのではないかと予想されます。
今後の日本のフードデリバリーはどうなる?
日本のフードデリバリー企業で現状の規模がそれなりにあってUberEatsにまともに対抗できそうなのは「出前館」「Menu(メニュー)」の2社ではないかと思っています。
出前館については先程も話しましたが今は送料無料や配達員への高額インセンティブで大盤振る舞いをしていますが、根本的な配達システムが他社と比べて圧倒的に劣っており、今後そのシステムを改築しない限り利益を上げることは難しく、このまま行けば衰退の一途を辿り そう遠くない日にフードデリバリー他社に買収されるか他社と合併するのではないかと思っております。
またMenu(メニュー)ついては、以前までのUberEatsに対抗できる報酬体系ではあったものの全体的に改悪につぐ改悪が続き 現状配達員からの不満が多いことと加盟店が少なく全体の注文数が少ないことから、出前館よりももっと早い時期にフードデリバリー他社に買収されるか他社と合併もしくは日本から撤退するのではないかと思われます。
そうなるといずれ対抗馬がなくなりUberEatsの独壇場になって、配達員にとっては更なる報酬減の洗礼を受けるのではないかと不穏な空気ではありますが、一縷の望みがあります。
その一縷の望みがドアダッシュ(DoorDash)で、まだ日本では展開エリアも少なく知名度は低いですが、海外での成功実績があり今後日本での展開にも期待できるものはあります。
またつい最近ドアダッシュがwoltを買収したことから、今後の展開エリア拡充も比較的早く進むのではないかと予想され、近い将来UberEatsの対抗馬としてサービス展開してくれるのではないかと期待しています。
(期待と言うか そうしてくれないと配達員としても困ってしまうわけですが(笑))
※ドアダッシュの買収については以下の記事をご参照ください。

何かと不安が先行してしまう報酬改定ですが、あれこれ考えても仕方ないのでまずは今回の報酬改定が良い方向に進むことを期待しつつ、UberEatsの対抗馬になりうるドアダッシュの今後の展開にも期待して、今以上に配達業務に勤しんでいきましょう!



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