ウーバー 初の年間黒字化【Uber Taxi・Uber Eats】

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アメリカのウーバー・テクノロジーズ(Uber Technologies)から発表された2023年通期の営業損益について解説していきます。

尚、本記事ではUber Eats 配達パートナー目線で、Uber Eatsに関する話題に触れながら本件の内容を紹介していきます。

目次

初の黒字化

まず、ウーバー・テクノロジーズ(Uber Technologies)とはUber Eatsの母体であり、フードデリバリーを始め配車・荷物配送サービスを提供するプラットフォームを会社となります。

そして、この度 ウーバー・テクノロジーズの2023年通期の営業損益が11億1000万ドル(日本円で約1640億円)の黒字となり、2009年創業以来初めて1年間の通期で黒字を達成しました。

(前期(2022年)は18億3200万ドルの赤字でした)

尚、事業別売上高は前年(2022年)と比べ、配車サービスが41%増の198億ドル・料理宅配サービスが12%増の122億ドルと 主力事業である移動部門(配車サービス)が好調でした。

さて、今回 年間通して初の黒字ということで、過去の営業損益がどうだったのか気になる方もいるのではないでしょうか。

そうした方 向けに上場した2019年から直近までの営業損益を見てみたいと思います。

意外にも2019年上場以降いずれの四半期もすべて赤字続きであり、2023年第2四半期(4-6月)で初めて黒字化しています。

それ以降の2023年第3四半期(7-9月)・第4四半期(10-12月)は上記グラフには記載されていませんが、いずれも黒字となっており、その結果2023年通年で黒字化を実現しました。

黒字化の原因とは?

今期(2023年)ウーバー・テクノロジーズの黒字化した要因として前述したように配車サービス(Uber Taxi)・料理宅配サービス(Uber Eats)の売上高が上昇したことが挙げられます。

そして、売上高上昇の原因として、配車サービスについてはコロナ禍からの回復でアメリカ・カナダで配車需要がコロナ前の水準に戻り始め ライドシェア利用が伸びてきたことが挙げられています。

料理宅配サービスについては食品・飲料の価格が上がっている状況の中においてもフードデリバリー需要が大幅に拡大し 過去最大に高まっていることが挙げられています。

こうした表面的に報道されている内容以外に、営業損益の黒字化に貢献しているのが 業務委託への報酬カットではないでしょうか。

この業務委託への報酬カットについては次の項目で詳しく解説していきます。

Uber Eatsの影響はあったのか?

前述した業務委託への報酬カットというのは、Uber Eatsの配達パートナーの報酬減のことを指し、ここでは その配達パートナーの報酬減による黒字化の影響について解説していきます。

Uber Eatsの配達報酬は年々減少の傾向にあり、日本に関して言えば2022年と2023年の報酬額の差は歴然で 同じ稼働時間でも配達パートナーが貰える報酬も減少しています。

具体的な事例として一件あたりの報酬単価減・マルチ(他店舗同時配達)時の報酬単価大幅減・クエスト報酬の減少などがあげれ、2023年はいずれも過去最悪と言われる程の減少がみられました。

こうした配達パートナーの報酬減によりUber Eatsはコスト削減を実現し、黒字化の要因の1つとなったのではないでしょうか。

それと、これは個人的な見解になりますが、コロナ禍からの回復で日本のフードデリバリー需要はやや減少したようにも思えます。

フードデリバリー需要が減れば 当然Uber Eatsの売り上げも減るわけで、配達パートナーの報酬減によるコスト削減を考慮しても 以前よりも利益が出ているかどうか怪しいところでもあります。

実際のところ日本でのUber Eats(Uber Japan)の決算は現状発表されておらず、仮に黒字だとしてもウーバー全体で見ると占める割合は非常に低いのではないでしょうか。

これだけ配達報酬を下げておきながら「日本は赤字だった…」なんてことになれば 更なる報酬減も十分にあり得るので、日本のUber Eatsの営業損益も黒字であると信じたいところです。

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黒字化によって今後期待されること

ここではUber Eats配達パートナー向けに、ウーバー・テクノロジーズは黒字化によって今後期待されることを解説していきます。

配達パートナーとして期待するのは、黒字化したことによる配達パートナーへの還元ではないでしょうか。

結論から言うと、今回の黒字化による配達パートナーへの還元(報酬増)は無いと思われます。

報酬増などの還元がない理由としては、前述したようにUber Japanの2023年の決算は現状未発表なことで、いくらウーバー・テクノロジーズが黒字であろうが日本が黒字でなければ意味がありません。

それに配達パートナーに何かしら還元したところで 喜ぶのは現役の配達パートナーだけで、還元がきっかけで配達パートナーが増えるということも考えにくく、Uber Eatsからすれば何もメリットはありません。

報酬増の還元によって配達パートナーの士気が高まるというメリットもあるかもしれませんが、むしろ逆で 報酬を再び上げてしまえば すぐにそれに慣れ また戻った(下がった)時に不満が出てしまうのではないでしょうか。

こうした配達パートナーへの還元は、これまでのUber Eatsの動向を見る限りは 無いと思わざるを得ません。

そんなことよりも、Uber Eatsが今すぐに率先してやるべきことは顧客満足度の向上ではないでしょうか。

日本のUber Eatsでは2022年11月からマルチピックアップ(他店舗ダブル・トリプル)が導入され、個人的にこの新システムが昨今のサービス低下を招いているのではないかと思っています。

Uber Eats側からすればマルチピックアップは配達報酬のコスト削減ができメリットがあるわけですが、それらのサービスを利用する注文者・店舗・配達パートナーにとってはほぼデメリットしかありません。

更に2023年12月頃からはピックアップ(店舗で商品回収)を終えて 注文者のところへ向かう途中でも、追加の配達依頼が来る仕様になり これを受諾すると 一旦注文者宅への移動が中止となり 別の店舗に向かう必要があります。

注文者からすれば 自分の所に向かっていた配達員が突如ルートを変えて別の店舗に移動し始めて 到着時間が延びるという仕打ちを受けることになります。

当然、企業である以上 利益を上げるということは最優先事項でもあり、そのためのコスト削減も当然必要になるわけですが、長期的に見て これが本当に利益アップに繋がるのか疑問に思うところもあります。

今以上に注文者の不満を増やすような仕様変更を繰り返せば Uber Eatsで注文する人も減り、いずれ売り上げ自体が減少するのではないでしょうか。

今回の黒字化で配達パートナーへの還元とかはどうでもいいので、今一度 注文者が「次もUber Eatsで注文したい!」と思えるサービスを実現して欲しいかと。

そして、顧客満足度が上がってUber Eatsを利用する人が増えれば配達依頼も増え、店舗・配達パートナーの仕事も増え Win-Winの関係が築けるのではないでしょうか。

最後に

今回はウーバー・テクノロジーズの営業損益の初の黒字化について解説していきました。

現状、日本のUber Eats(Uber Japan)の決算発表がされていないので ぬか喜びはできませんが、大本のウーバー・テクノロジーズが黒字ということで、Uber Eatsが直近で日本から撤退する可能性は低くなったのではないでしょうか。

今回の黒字化を機に ウーバーの手がける事業が更に発展し、将来的に配達パートナーにとってもプラスになれば幸いです。

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