今回は2024年10月15日付けで改定される出前館の「個人配達業務等委託に関する規約」の内容について紹介していきます。
規約改定内容の解説から、規約改定後どうなるか・規約改定における懸念点など、今の出前館事情を交えながら深堀りしていきます。
規約改定の詳細
ここでは2024年10月15日付で改定される「個人配達業務等委託に関する規約」について、改定対象となる各規約を補足説明を交えながら個別に紹介していきます。
業務中 関連
ここでは配達業務中の行動に関係する規約改定について紹介していきます。
配達バッグを使用する等により、温度管理等を行っていただくことを明記します。
商品の保温・保冷を施す内容の規約が追加となり、いわゆる ハンプラ(商品をハンドルにぶら下げて運ぶこと)禁止を促す内容となります。
基本的に配達バッグを使わないことはデメリットだらけなので 配達バッグを使わない行為は理解に苦しむわけですが、昨今でもハンプラ配達員は一定数見かけます。
もしかしたら、配達員ではなく単に自分の商品をテイクアウトしているだけかもしれませんが…
尚、ハンプラなどのフードデリバリーに関する専門用語は以下の記事にて紹介しているので、フードデリバリー初心者の方はこちらもご参照ください。
当社が定めた使用不可車両(フル電動自転車、電動キックボードなど)を使用しないことを明記します。
配達車両として認められないフル電動自転車・電動キックボードが具体的に規約に明記されるようになります。
昨今の配達界隈においてフル電動自転車の不正利用は最も問題視されていると言っても過言ではありません。
巷ではフル電動自転車を使っている配達員の大半は出前館 というか「フル電動自転車配達員=出前館」ぐらいの認知度とも言える程 出前館では違反のフル電動自転車が萬栄しています。
この規約改定によりフル電動自転車配達員が減るかどうか見ものと言えましょう。
配達を行う上で必要のない行為(私的な連絡など)の禁止を明記します。
※配達で知りえた情報を使って加盟店やお客様への私的な連絡を行うことや、私的な連絡を目的として連絡先を尋ねることなどの行為は厳禁です。
注文詳細情報を元に知りえた店舗・顧客の情報を私的に利用することを禁止する内容が追記されます。
この追加される禁止内容自体は至極当たり前のことではありますが、度々 非常識な行動に出る配達員が報告されています。
特に顧客(注文者)に対して私的に連絡するのはもってのほかであり、規約に記載せずとも 常識があれば誰もがやってはいけない行為と分かります。
規約に追記するに越したことはないわけですが、今になって何故?と思ったりもします。
位置情報について正確な取得を妨げる一切の行為の禁止を明記します。
スマホのGPS機能を悪用した位置偽装を禁止する内容が追記されます。
位置偽装問題はかなり昔から話題になっていることであり、昨今も悪用する配達員は少なくないとか…
こうした不正行為を取り締まることは喜ばしい限りですが、位置偽装をしているかどうかを見極めるのは結構手間がかかりそうな気もしますし、出前館が本気で取り組んでくれるのか少々怪しくもあります…
アカウント関連
ここではアカウントに関係する規約改定について紹介していきます。
アカウント貸与等の不正によって得た報酬は、支払わないことを明記します。
不正に取得した他人アカウントで得た配達報酬は支払いの対象外となることを明記した規約が追加されます。
従来の規約にもアカウントの貸与・譲渡・売買等の禁止に関する内容は記載されていましたが、今回の規約変更で アカウント不正利用対策が更に強化されるといったところでしょうか。
追記内容からすると、他人アカウントを不正に利用していると分かった時点で、まだ未払いの報酬はすべて没収されることになるので 最大で半月分の報酬が無効となります。
昔から出前館での配達員アカウント売り・不正利用は問題になっている事象の1つであり、個人的には「不正アカウントで得た報酬は過去に遡って請求できるものとする」ぐらいまで厳しくしてほしいかと。
法令遵守の観点からアカウント管理のため顔写真のデータを利用する旨を明記します。
各配達員のアカウント管理に顔写真を使用することが明記された規約が追加されます。
実際に追加される規約内容は以下となります。
受託者は、アカウントに顔写真データを登録することにより、当該顔写真データについて、当社に対し、アカウントログイン時の本人認証に必要な範囲内における利用(サーバに保存するための複製を含む。)を許諾する。
上記内容から今後アカウントに顔写真登録が必須となる模様で、もしかするとUber Eatsのように不定期でログイン時に顔認証が求めれるようになるかもしれません。
また、アカウント登録に顔写真が必須ということになれば、顧客に提示する配達員情報に顔写真を載せることも可能になるわけで、近い将来 注文者が配達員の顔写真を確認できるようになるかもしれません。
配達員の中には顧客に自分の顔写真を見られることを忌み嫌う人もいるみたいですが、顧客側からすると事前に顔が分かっていた方が受け渡しの安心感も増すので、今後 顧客への顔写真提示も妥当なのかと。
契約関連
ここでは業務委託契約に関係する規約改定について紹介していきます。
終了の意思表示に要する日数を従来の15日から30日に変更します。
こちらは配達員側から業務委託契約を終了させたい場合に用いられる規約となります。
出前館の業務委託の本契約は1年ごとに自動更新され、本契約を解除したい場合 従来は有効期間満了の15日前までに申請する必要がありましたが、規約改定後は30日前までに申請しなくてはならなくなりました。
要するに従来よりも早い段階で出前館に業務委託契約を解除したい旨を伝える必要が出てきたわけですが、申請が遅れ契約がもう1年延長されたからと言って特に都合が悪くなることもないので 気にする程の変更ではないかと。
事前告知を行うことで当社から契約を解除することができることとします。
こちらは出前館側から業務委託契約を終了させる際に用いられる規約となります。
従来の規約では何も通知なしで いつでも出前館側の意志で業務委託契約を解除することが可能でしたが、新規約では事前告知をした上で業務委託契約を解除が施行されることになります。
事前通知があろうがなかろうが 出前館が契約解除をすると決めたら覆るものでもないと思うので、規約改定で特別な変化はないかと。
尚、上記 2項目(第11条1項・2項)の変更については「フリーランス法施行に基づくもの」との説明があり、出前館の都合で変更した規約というよりも、昨今の情勢に適応させた規約改定とも言えます。
規約改定後どうなるか
今回の規約改定を見るからに違法外人配達員・不正外人配達員 対策を意識したものと言えます。
違法外人配達員・不正外人配達員とは
アカウントを不正な手段で入手し、フル電動自転車をナンバープレートなしで運転している 外国人配達員を示し、主に法人に所属している者を示します。
尚、違法外人配達員・不正外人配達員については以後「違法外人」と称して話を進めていきます。
出前館の違法外人配達員の特徴は、他人アカウントを不正で取得し 違法のフル電動自転車を乗りながら配達バッグなしのハンプラで配達し 不正ツールを駆使するなど 不正だらけのならず者と言えます。
今回の規約改定ではその違法外人配達員がやっているであろう「不正アカウントの使用」「フル電動自転車での配達」「ハンプラ配達」「位置情報偽装」などの行為をピンポイントで禁止した内容となります。
このことから、ようやく出前館が重い腰を上げて違法外人配達員の排除に動き出したと言えるのではないでしょうか。
そして、普段からまじめの配達している配達員にとっては今回の規約改定によって受けるデメリットはゼロに等しいと言えます。
むしろ 不正配達員が減ることで配達依頼が来やすくなるメリットもあるので良いこと尽くめの規約改定ではないでしょうか。
そんな喜ばしい規約改定ではありますが、これまでの出前館の運営を見ていると手放しで喜べない事情もあるわけで、その理由ついては次の項目で解説していきます。
規約改定の懸念点
今回の規約改定は不正配達員を排除するための良い対応とも感じられますが、実際のところ「うちでは不正対策をしっかりしています!」ということをアピールするためのパフォーマンスに過ぎないのでは?という不安もあります。
出前館配達員であろう違法外人の街中での無法な行動は目を見張るものであり、今後 マスコミの的になってもおかしくありません。
そうしたマスコミに取り上げられた際に 出前館運営は「出前館は規約で禁止していることなので 弊社の配達員ではない」と言い逃れをするための見せかけの規約改定かもしれません。
そもそも規約で禁止されていようが それがバレなければ規約はまったく意味をなさないことと出前館が本気で規約違反者を排除していくか疑問でもあります。
現状、出前館には不正配達員を通報するための通報フォームがありますが、通報しても一向に取り締まる様子がなく 通報フォームがまったく機能していないとも言われています。
ただ、もしかすると これまでは規約上 禁止としていなかったから通報しても意味がなかっただけで、規約改定後に通報すれば規約が適用され該当する配達員へ然るべき対処がされるかもしれません。
尚、配達員の不正行為を通告する際は以下のメールアドレスへ通報する必要があります。
規約改定後なら上記通報メールアドレスが機能するかもしれませんので、不正配達員を見つけた場合は2024年10月15日以降に通報すると良いかもしれません。
そして、もう1つの懸念事項は 今回改定される規約が法人の配達員に適用されるかという問題です。
今回改定される規約は「個人配達業務等委託に関する規約」であり、これが法人にも適用されるかは甚だ疑問ではあります。
これまでの出前館の運営を見る限り「法人の配達員に関しては当社の管理下ではないので本規約は無効とします」と言いかねません。
現状、違法外人に該当する出前館配達員は ほぼすべて法人管轄とも言われ、もし今回の規約改定が法人に適用されないとなれば 規約変更の意味がなくなる可能性大です。
この懸念事項の真相については、実際に規約改定が適用されてみないとなんとも言えません。
10月15日から適用されるということなので 早ければ2024年11月ぐらいには規約改定効果が表れるのではないでしょうか。
2025年になってもフル電動違法外人がまったく減っていないということであれば、この懸念していた事案が的中したということになるかもしれません…
最後に
今回は2024年10月15日付けで改定される出前館の「個人配達業務等委託に関する規約」の内容について紹介していきました。
文中でも話したように、今回の規約改定は主にフル電動自転車で稼働する不正配達員を意識した内容であり、これを機に不正配達員が排除されることを願うばかりです。
個人的には今回のような細かい規約変更ではなく 思い切って「外国人は配達員として登録することができません」にすれば万事解決な気もします。
そもそも、出前館は良くも悪くも日本人 気質な運営でもあるので「出前館の配達員は全て日本人です!」とアピールした方が良い気も…
とにかく、今回の規約変更で違法外人を中心として不正配達員を排除してくれるよう、今後の出前館の動向に期待したいところです。
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