出前館 新ドライバーアプリ(新システム) 解説

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本日、出前館から2022年5月より全国で新ドライバーアプリでの運営に切り替わるという正式発表がありました。

以前から出前館のドライバーアプリの仕様が変わると噂されており、すでの京都では新ドライバーアプリでの試験運用がされていたということで 他の地域もまもなく来る?と匂わせてきており、意外にも先日発表された配達報酬改定よりも早いタイミングでのリリースとなりました。

今回はその新ドライバーアプリ(新システム)について、何が変わるのか・今後配達員に与える影響などを分析・解説していきます。

また、新ドライバーアプリを実際に使用して分かった新アプリの機能・特徴については以下に記事にて詳細を解説しているので、より新ドライバーアプリのことが知りたい方は以下の記事をご参照ください。

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目次

運用開始時期

新ドライバーアプリの運用開始時期については当初は2022年5月初旬ということでしたが、一旦延期となり現段階では2022年8月1日からというアナウンスが流れましたが、再度延期の可能性もあるかもしれません。

また全国一斉に変わらない可能性もあり、地域ごとに開始時期が異なる可能性も十分にありえます。

運用開始日程の正式決定については直前になってみないと分からないかもしれませんので気長に待ちましょう。

新ドライバーアプリの仕様

配達員が最も気になるのが新ドライバーアプリの仕様ということで、ここでは出前館からのお知らせに記載されたいた旧ドライバーアプリとの変更点を交えて、新旧アプリの仕様を比較しながら各項目を詳しく分析・解説していきます。

オーダー受信について

まずはオーダー受信(注文の通知)に関する仕様について、まずは新旧アプリの仕様変更内容を以下の表にまとめました。

項目旧アプリ仕様新アプリ仕様
オーダーの流れ①注文者(顧客)が注文

②店舗と配達員へ同時通知
①注文者(顧客)が注文

②店舗に通知 → 店舗が注文受諾確認
調理時間設定を行う

③配達員へ通知
ゴング配達員が店舗に到着時間を通知ゴング機能を廃止
店舗到着時の通知ボタン」を追加
オーダー受信エリア配達員が登録したエリアのみの受信配達員の現在位置に応じて受信
エリア制限なし

それでは上の表の各項目の詳細について解説していきます。

オーダーの流れ

これまでは注文者(顧客)が注文すると店舗と配達員へ同時に注文通知がいく仕様で、この仕様のために店舗側が注文に入ったことに気付かなくても配達員にも注文が入り、配達員がいざ店舗に到着したら店舗側では注文が入っていることに気がつかなかったということもあれば店舗が閉まっていたということ多々あり 多くの配達員を苦しめてきました。

これが新アプリでは店舗が受諾を確認してから配達員に通知がいく仕様に変わるので、これにより店舗側で注文タブレットを起動してなくて注文に気付かなかった・店舗自体営業していないかったという事象を回避できるようになり、これで配達員への無駄なストレスを軽減できるかと思われます。

気になる点としては店舗側での「調理時間設定」ですが、これがどういった仕組みで行われどう反映されるかが不明なので現時点ではなんと言えませんが、この仕様次第では以前よりも調理時間を待たなくなる もしくは調理待ち時間が増えるという期待もしつつ不安もある要素ではあります。

ゴング

まずゴングとは、配達員が店舗へ商品の受け取りに向かう際に アプリ操作で店舗にこれから行く旨を通知し、店舗はそのゴングを受信すると料理の準備を開始するシステムです。

ゴング受信から料理完了時間の目安は基本的に15分前後となっており、配達員はこの仕様に基づき店舗到着時刻15分程前にゴングを実行し、店舗に到着した時に出来たての料理を受け取れるという非常に効率がいい配達が実現可能となります。

しかしながら現実は効率がいいというは夢のまた夢の話で、先程の「オーダーの流れ」でも解説しましたが店舗が注文自体に気付いていなくて配達員がゴングしても注文すら気づいていなくて 配達員が店舗に到着してから調理開始ということがあったり、ゴングに気付いても15分という時間はお構いなしに店舗にきているお客さん優先で 出前館の調理は後回しなんてこともあり この無駄に調理待ちさせられることが嫌で出前館での配達を敬遠する配達員も少なくありませんでした。

そして、今回の新アプリでは上記の「オーダーの流れ」の仕様変更によりゴング機能自体が廃止となり、新しく配達員側で「店舗到着時の通知ボタン」が追加されることになりました。

この「店舗到着時の通知ボタン」の仕様は不明ですが、文字だけで意味を考えると店舗に到着したことを知らせる通知ということになり、それならわざわざアプリで知らせるよりも直接店内で店員に伝えた方が早いような気もします…
しかし、そんな意味がない機能を実装することはないでしょうから どんな機能かは実装後のお楽しみと言ったところでしょうか。

オーダー受信エリア

これまでの出前館での配達は自分が登録している拠点(エリア)のみ可能で、配達先が登録外のエリアだった場合は、配達を継続するためには登録エリア内に戻る必要がありました。
複数の拠点で登録していればエリアを跨ぐ配達も可能ですが、それぞれの拠点で登録ID・パスワードが異なるため、エリアが変わるためにログインし直す手間がありました。

そして、新アプリでは拠点の垣根がなくなり配達員の現在位置に応じて注文を受信できることになりました。

これも地味に嬉しい仕様変更でこれまでは特定のエリアでしか配達できなかったのが、配達状況に合わせて臨機応変に配達することが可能となります。

オーダー受諾方法について

ここではオーダー受諾方法についての仕様について、まずは新旧アプリの仕様変更内容を以下の表にまとめました。

項目旧アプリ仕様新アプリ仕様
オーダー発行拠点コントローラーより手動で送信最適ロジックにて送信 ※ロジックは非開示
オーダー通知対象稼働配達員へ一斉に通知
(店舗から距離により時間差あり)
個別に通知 ※早押しの廃止
オーダー通知画面未受諾の注文すべて表示1件ずつ注文が表示
オーダー受諾数複数受諾可能で、同時稼働も可能
(拠点により受諾上限数が異なる)
1件のみの受諾(複数の受諾は不可)
(配達完了しないと次の注文がこない)
拒否ペナルティなし3回連続で注文拒否した場合 自動ログアウト
(再度ログインすれば注文受信可能)

それでは上の表の各項目の詳細について解説していきます。

オーダー発行

配達員に送信する注文依頼は、これまでは拠点のスタッフが手動で各配達員に送信しており、拠点によっては契約内容や人によっては優先して送信されるということがあったりなかったりと噂されていましたが、新アプリでは最適ロジックにて送信されるとのことで人が絡んだ忖度もなくなるのではないかと予想されます。

ただロジックについては非開示ということで、送信を管理するシステム自体が存在するかどうかも怪しく これまでと同様に拠点スタッフが手動で送信ということも出前館なら十分にありえるので 良くなるのか悪くなのかは不明確ではあります。

オーダー通知対象

個人的にはこれが今回新アプリ実装に伴う最大の変更点で、これまでのオーダー通知はアプリを稼働している全配達員に注文を一斉に送信し その中でいち早く注文決定をできた人だけが受諾できる いわゆる早押しシステムでした。
(各配達員の現在地と注文店舗との距離で注文通知時の時差はあるため、より店舗の近くにいる配達員の方が有利ではありました)

そして、新アプリではこの早押しシステムが廃止され、注文は各配達員へ個別に送られるようになります。
いわゆるUberEatsのリクエスト通知と同様の自動差配システムとなり、通知が来た注文は自分にだけ届いているので受諾選択時間内であれば その注文を受諾するかどうかをゆっくり考えることができるようになります。

オーダー通知画面

これまでは受諾されていない注文はオーダー通知画面に表示され、自分もしくは他の人が受諾しない限り画面に通知されっぱなしの状態でしたが、新アプリではオーダー通知対象が各配達員個別に変わったことに伴いオーダー通知画面に表示される注文も1件のみとなりました。

この変更についてはさほど気にする必要はなく問題は次のオーダー受諾数です。

オーダー受諾数

こちらもかなり大きな変更点でこれまでは早押しにさえ勝てれば複数の注文を同時に受諾することも可能でしたが、新アプリでは1人1件のみの受諾となり複数の案件を同時にこなすことができなくなりました。

これまで複数案件を同時こなしていた人にとっては、この仕様変更は改悪と言わざるを得ません。

拒否ペナルティ

これはオーダー通知画面に表示された注文を拒否した場合のアプリ側の挙動で、ペナルティとは書いていますが 特に何かを失うということではありません。

これまではオーダー通知画面に来た注文を受諾したくなければそのままスルーしておけばよく、注文を拒否しても何もペナルティはありませんでした。
それに対して新アプリでは以前と同じように受諾したくない注文はスルーしても構いませんが、3回連続で拒否すると強制ログアウトとなってしまい、再び注文通知を受け取りたい場合は再度ログインし直す必要があります。

この仕様はUberEatsと非常に似ているのでUberEatsのリクエスト通知を3回拒否することと同じと考えてもらえれば想像しやすいと思うのですが、UberEatsとの最大の違いは同じ注文依頼が3回連続で来ることもあるということです。

これは先行して新システムを導入している京都の配達員の方からの情報で、通知が来て受諾拒否した注文と同じ注文がまた通知され 同じ注文であっても3回連続でキャンセルすると強制ログアウトになってしまうため、運が悪いとひたすら同じ注文通知を受け続ける可能性があります。

このままの仕様で8月から全国で実装されると決まったわけではありませんが、強制ログアウトにするぐらいなら一度キャンセルした注文は通知しないで欲しいものです。

尚、受諾した注文をキャンセル(受けキャン)できない仕様はこれまでと変わりありません。

配達実績の表示について

新アプリ仕様解説の最後の項目として配達実績の表示仕様について解説していきます。

項目旧アプリ仕様新アプリ仕様
配達実績の表示内容配達件数のみ確認可能配達件数・報酬額が確認可能
(ブースト・インセンティブ料金は加味されない)
※ブースト等を含む総額は清算書にて確認

これに関してはそれほど重要視する点ではないと思うので簡単に説明しますが、これまではアプリ上で配達実績を確認しても配達件数のみしか閲覧できませんでしたが、新アプリでは配達件数に加えて報酬額の閲覧が可能になりました。
ただ、この報酬額とはブーストやインセンティブなどの額が反映されないために実際に受け取る金額とは異なるので、正直なところ これまでとほとんど変わりないように思えます。

おそらく報酬額を載せた理由は2022年6月から適用される距離別報酬に合わせてのことだと思われるのですが、通知内容をみると「加算表示は別途開発中」とあるので今後は実際に貰える報酬額に変更されるかもしれません。

配達員の環境はどうなる?

2022年8月から新アプリを導入することで今後出前館の配達はどう変わっていくのかを分析・解説していきます。

得する人・損する人

今回の最大の変更点と言っても過言ではない「早押しの廃止」により、これまでの配達員の報酬格差がかなり緩和すると予想されます。

これまで早押しで他の配達員に勝ち美味しい案件を取りまくっていた配達員にとっては 新アプリになることで美味しい案件を自力で取ることができなくなる上に複数案件同時にこなすこともできなくなるので、これまで維持できた高時給もガクンと下がる可能性があり配達効率が著しく低下する可能性が高くなります。

逆にこれまで早押しが苦手だった人には今回の新アプリ導入は朗報でもあり、どんなにタップする反応が遅かろうが待っていればいずれ自分だけに注文が来るわけで注文通知で他の配達員と競争する必要もなく自分のペースでできるようになりました。

早押しの勝ち組・負け組のどちらでもなくそこそこ注文を取ってきた配達員は複数案件同時にこなすことができなくなったのはデメリットではありますが、早押し廃止により常にアプリ画面を凝視して待機するというストレスから解放されるようになった点はメリットなのではないでしょうか。

配達員の平等性についてはオーダー通知を送るアルゴリズム(ロジック)次第なところもあるので、本当に平等になるかは実装されてみないとわかりませんが、以前よりも配達案件を独り占めするということが難しくなったことにより高報酬稼いでいた人にとっては手痛い仕様変更になることは間違いないでしょう。

懸念事項

今回の仕様変更によって以前よりも配達時のストレスが軽減するので個人的には良い方向に改善されたのではないかと思っていますが、一つだけ懸念事項があり それは「調理の待ち時間」です。

これは仕様変更前からの出前館配達時の大きな課題であり、以前から出前館での調理待ち時間は配達員の間でも問題視されていました。

新アプリに変わり この調理の待ち時間が緩和されるかが気になるところでもありますが、これまでと比べて良くなる部分もあれば悪くなる部分もあると予想されます。

良くなる部分としては、店舗が注文を受諾してから配達員に注文通知が来るという点で、これまでは店舗に到着したものの店舗側は注文が入ったこと自体気づいてなく配達員が到着してから調理開始ということもありましたが、新アプリではそういったケアレスミスがなくなります。

一方 悪くなる部分としては配達案件を1件しか受諾できない点で、出前館にはUberEatsの受けキャン(受諾した注文をピックアップ前にキャンセルする)のシステムがないため、一度受諾した注文は特別な事情がない限りはキャンセルことはできず、店舗での調理待ちは特別な事情として考慮されないため ひたすら調理完了まで待ち続けなくてはいけません。

複数の配達案件を受諾できるのであれば調理待ちの時間に他の配達案件をこなすということも可能でしたが、新アプリでは受けた案件を完了しない限り次の案件を受諾できないので、調理待ちで時間を食うと配達効率が著しく悪くなります。

個人的な見解として、この調理待ち問題については当面の間は解消されないと思っており、その理由は調理待ちで被害を被るのは配達員だけだからです。

店舗側からしてみれば配達員をいくら待たせようが出前館からの遅延ペナルティはありませんし 寧ろ出来立ての料理を届けれもらえるので喜ばしく、注文者にとっても配達員がいくら待とうが出来たてアツアツの料理を届けてもらえるので喜ばしく、出前館自身は配達員が調理待ちで1配達の時間がかかることは一時的に配達員の絶対数が減るので痛手があるようにも見えますがそうそう配達員がカツカツということもまずないでしょうし 配達員が待つこと自体はノーコストなので まったく痛手ではありません。

こうした問題は出前館側が配達員よりも店舗を優先している背景もあり、UberEatsでは配達員と店舗は比較的平等な関係に近く 調理遅延した場合は店舗側にペナルティが発生しますし配達員側が配達を拒否することも可能ですが、出前館は明らかに配達員への待遇を軽視しているため このまま出前館のサービス終了までこのスタンスが変わらないことも十分ありえます。

上記のことから「調理の待ち時間」の問題は今後も続くであろう課題あり、これが解消されない限り出前館配達員の定着率が安定せず 今後の報酬次第では配達員離れが加速する不安要素でもあります。

今度の配達立ち回りについて

これまで出前館では住所名から住所を把握して移動経路や所要時間を計算してより効率よく立ち回ることが必要とされ、他のフードデリバリーよりも高い知識・能力が必要とされてきました。
ただ、これらの知識・能力がなくても当然出前館での配達業務はできましたが あるとないとでは配達効率も変わってきて それらが苦手な人は他社で配達した方が報酬がいいとも言えるぐらい出前館は配達上級者向けのフードデリバリーとも思ってました。

しかし、新アプリに変わることでこれまで必要とされた知識・能力の重要性が減り、極端な話 まったく配達未経験の人でも参入しやすいフードデリバリーになり、少なくともこれまで重視されていたテクニックの重要性が減ることは間違いないでしょう。

配達の立ち回りのも複数案件同時にこなすことが出来なくなったことから1件1件地道に配達していくスタイルに変わり、UberEatsに近い感覚で配達できるようになり、むしろUberEatsみたいにダブルや数珠がない分 配達初心者にはもってこいのフードデリバリーになるかもしれません。

それぐらい 今回の仕様変更は配達員の立ち回りに影響が出るものであり、これまで風の噂で出前館のよくない評判ばかり聞いて出前館での配達を敬遠していた人も、新アプリ導入を機に始めてみるのいいかもしれません。
そのためには出前館の配達員登録が必要となるので余裕がある方は今のうちに登録しておきましょう。

また、実際に新ドライバーアプリを使用して分かった新ドライバーアプリの機能・特徴については、以下に記事にて詳細を解説しているので、こちらもよろしければご参照ください。

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