先日発表された出前館の医薬品配達開始について、これまでの食品配達と医薬品配達との異なる点や医薬品配達の特徴・医薬品配達において配達員が持つであろう疑問及び解決方法を解説していきます。
出前館 医薬品配達開始の発表
先日出前館より各配達員へ2022年10月11日(火)より医薬品配達を開始するという通達がありました。
医薬品の配達の関しては他社のフードデリバリーだとUberEatsを皮切りにMenu・Woltでもすでに導入しており、今回の出前館の発表により日本国内大手のフードデリバリーで医薬品配達を取り扱える形となりました。
尚、出前館は当初は10月3日(月)からの医薬品配達を予定していましたが、万全を期すためにということで10月11日(火)開始に変更となりました。
これまでの配達との相違点
ここではこれまでの通常の食品配達と医薬品配達の異なる点について解説していきます。
まず、食品配達と医薬品配達の相違点は以下となります。
- オファー画面に通知あり
- 注文詳細の確認ができない
- 置き配禁止
- 渡せなかった場合は返品配送が必要
次から上記リストの各項目を詳しく解説していきます。
オファー画面に通知あり
注文内容に医薬品が含まれている場合はオファー画面に医薬品と分かるタグが表示されます。
現状どのようなタグが表示されるかは不明ですが、事前に医薬品かどうかは分かるようなので 医薬品配達をしたくないのであればタグを確認してオファーを拒否するようにしましょう。
医薬品配達に関しては大きなデメリットもないので、特別避けるべき案件でもないとは思いますが、どうしても受諾したくないという方は早スワイプに夢中になりすぎてタグを確認しなかった… ということにならないよう注意しましょう。
注文詳細の確認ができない
医薬品の注文に関しては これまでの食品とは異なり、注文者が何の医薬品を購入した分からないよう商品情報を非表示にしているため注文内容詳細がアプリ上にも表示されません。
そのため、出前館ではお馴染みの店舗店員との商品読み合わせは不要となり、商品を受け取る際は受取番号(注文番号)を確認するだけでOKです。
これは他社のフードデリバリーを経験している方なら特に違和感がないと思いますが(むしろ注文番号を確認するだけの方が普通?)、出前館でしか配達したことがない方は医薬品だけは注文詳細が確認できないことを把握し、くれぐれも袋を開封して店員に注文内容確認を求めたりしないよう注意しましょう。
置き配禁止
医薬品は置き配が禁止となり、必ず注文者(お客様)へ直接手渡しする必要があり、出前館公式から置き配に関して通知されている内容は以下となります。
医薬品を含むオーダーは置配ができません。
遅配のご要望を確認された場合は、必ず拠点までご連絡ください。
医薬品を含むオーダーでの置き配に関してはトラブルの対象となる可能性がございます。
※上記の通知内容は出前館公式からの原文そのまま表記しており、原文には「遅配」と記載されていますが「置配」の書き間違えかと。
医薬品の置き配禁止はUberEatsなどの他社のフードデリバリーでも同様の対応となっており、特別気になることはないのですが問題は「医薬品注文時に注文者側で選択する受け渡し方法が制限されているかどうか」で、上記の出前館公式からの通知内容を見る限り、医薬品注文時でも注文者側は置き配の選択ができるのではないかと予想されます。
もし医薬品でも置き配が指定できる注文仕様で 注文者が置き配を指定したとなると配達員と注文者 双方の希望する配送方法が異なり配達員側としてはスムーズに配達することができない可能性がでてきます。
そうした場合の対処方法については後述する「注文者から置き配の要望があった場合は?」にて解説しています。
渡せなかった場合は返品配送が必要
注文者が不在などの理由で商品を渡せなかった場合はピックアップした店舗に商品を返送する必要があり、返品配達は再配達扱いとなり別途報酬が発生する仕組みとなっています。
これは先日UberEatsから発表された新サービス「Uber Direct」の返品時の報酬仕様と非常に類似しており、返品配達となった場合は出前館でもUberEatsと同様に配達報酬が純粋に2倍になるものと思われます
仮に返送するとなった場合まずは拠点への連絡が必要となり、拠点側から返品配達の了承を得てからピックアップ先へ返品配送を開始することになります。
拠点へ連絡せずに返品配送をおこなった場合は返品配送時の報酬が発生しない可能性が高いので、くれぐれも自己判断で勝手に返品配達をしないようご注意ください。
尚、出前館の各拠点の連絡先や連絡方法については以下の記事をご参照ください。
医薬品配達に関する疑問
ここでは医薬品配達に関して各配達員が抱くであろう疑問について、各疑問内容及びそれらの解決方法を解説していきます。
まずは各疑問内容は以下となります。
- 医薬品の配達は誰でもできるのか?
- 注文者から置き配の要望があった場合は?
- 不在の判断基準は?
- 返品配達の期限は?
次から上記の各疑問内容の詳細 及び解決方法を解説していきます。
医薬品の配達は誰でもできるのか?
医薬品を配達する分には特別な資格は必要なく、出前館への申請等も不要なため、出前館の配達員であれば誰でも可能です。
注文者から置き配の要望があった場合は?
医薬品配達では商品は直接渡すことが必須とされているため、医薬品配達で注文者から置き配の要望があっても商品を直接渡さなくてはいけません。
注文者が置き配を希望された場合、出前館のマニュアルだと「拠点に連絡する」ことが必須となります。
ここで問題なのは拠点に連絡した後の拠点側がどう対応してくれるかなんですが、拠点側から注文者に連絡を入れ「置き配はできないので、直接受け取りをお願いします」と伝えてくれれば配達員としても助かるわけですが、現状の出前館の拠点サポート対応を見ると「配達員から注文者へ直接連絡してください」という返答の可能性が高いです。
拠点サポートが上記の対応をしてくるのであれば初めから自分で注文者に連絡を取りに行った方が早く、個人的に推奨する「置き配の要望があった時の対処方法」は以下となります。
まず出前館が定めている以下の置き配ルールを実行します。
ここから更に商品を置いて完了ではなく、注文者が商品を受け取るのを陰から見守り、注文者が商品を受け取るのを見届けて配達完了となります。
ポイントは必ず商品を受け取ったのを見届けることであり、見届けると言っても必ずしも商品を置いてからずーと注視してドアが開くのを待つ必要もなく、注文者から完全に死角になる場所で待機してドアが開く音・商品を回収する音が聞こえてから商品が回収されたことを確認する、もしくは一旦別のフロアに移動して少し時間を置いてから注文者の玄関を確認すれば、実質直接受け渡しと同様の結果となります。
この対応方法で「注文者と連絡が取れない」「商品を置いたけど一向に回収してくれない」ということがあった時のみ拠点サポートに連絡する方が無駄な手間も発生せずに効率良く配達できるのではないかと。
とは言え、置き配指定された時点で拠点サポートに連絡するのがセオリーなので、まずは拠点サポートに連絡するべきではありますが、拠点サポートへ連絡する度に「配達員から注文者へ直接連絡してください」と言われるようであれば、最初から連絡せずに上記の対応を取った方がよろしいかと思われます。
ちなみに、上記の受け取りが完了するか陰から見守るという行為は過去に出前館側から必ず実施するように公式で定められた配達ルールとなっていましたが、注文者から「商品受け取り時に物陰から見られていて怖い」とクレームがあり これらをマスコミが配達員の不審な行為として取り上げられたこともあり、現在では受取完了を陰から見守る行為を必須としていません。
不在の判断基準は?
お届け先に到着したものの注文者が不在もしくは連絡が取れないという場合はピックアップした店舗に商品を返送する必要がありますが、何ももって不在・連絡が取れないと判断するかは迷うところでもあります。
一通り連絡(インターホン・電話・ショートメッセージ)をして何も応答がなければ不在の可能性も高くなり、返送時の配達報酬も発生することから すぐにでもピックアップ先に返品配送をしたくなる気持ちもあるかもしれませんが、すぐに不在と決めつけるのは危険で、不在かどうかの判断は出前館が定める以下の規約通りに対応するのがベストかと。
これまでフード(食品)も、指定された配達時間から10分間の待機を頂いていましたが、9月15日より、すべての品について、【特段の指定がある場合を除き】、「配達先への到着時間から10分間」を待機時間とさせていただきます。
ここでポイントなのは配達完了予定時刻から10分待つのではなく、届け先へ到着してから10分待つということであり、一通り連絡(インターホン・電話・ショートメッセージ)した後に10分待ち何も応答がなければ不在という扱いで
尚、規約に記載されている【特段の指定がある場合を除き】についてはおそらく予約配達(あらかじめ注文者が配達到着時刻を指定している配達)のことを示しており、この場合はどんなに早く到着しようが配達予約時刻まで待つ必要があるのでご注意ください。
そして忘れてならないのは必ず拠点サポートに連絡する必要があることで、少し特殊な案件でもあるので一通り連絡して応答がなかった時点ですぐに拠点サポートに連絡し、その連絡から10分間待機の方が無難かと思われます。
拠点サポートに連絡せずに配達員が勝手に不在と判断して返品配送を行ってしまうと最悪商品代金を補填させられるということにもなりかねませんので、不在か否かの最終判断は拠点サポートにゆだねるようにしましょう。
尚、各拠点の連絡先や連絡方法については以下の記事をご参照ください。
返品配達の期限は?
返品配達期限については出前館から以下の通達があります。
通常の配達と同様に、受託次第すぐの配達をお願いいたします。
万一、店舗の閉店などで当日中の返品が難しい場合は、その日のうちに拠点にご連絡いただき、返品は翌日にご対応ください。
返品を翌日までに行わない場合、トラブルの対象となる可能性がございます
基本的には注文者に商品を渡せないと判断した時点で、すぐにピックアップ先に戻り商品を返品するわけですが、すでに次の配達案件が入っている場合はそちらを優先し 次の案件が完了してから返品に向かう形で問題ないかと。
また、ピックアップ先に戻ったものの閉店していて商品を渡すことができなかったという場合は翌日返品ということで、「翌日に商品を返却するのは手間がかかる」「翌日は予定があり店舗に行けない」ということであれば夜遅い時間の医薬品配達案件は避けた方が無難ではあります。
(返品配送になること自体が非常にレアケースなので 翌日返品になることも滅多にないとは思いますが…)
いずれにせよ返品配送する際は拠点サポートへの連絡は忘れないようにしましょう。
医薬品配達 開始後はどうなるか
配達対象商品に医薬品が追加されるということで、今よりも注文件数が増え配達員への注文オファーも増えることが予想されます。
ただ 医薬品配達に対応することで具体的にどのくらいの数の加盟店が増えるかどうかは現状不明であり、医薬品配達を開始したからといって目立って注文オファーが増えるということもないかと思われます。
とは言え、取扱品目が増えることは注文者・配達員 双方にとって嬉しいことでもあり、この医薬品配達を皮切りに今後 日用品など様々な商品も配達対象になってくることを願うばかりです。
それと 取扱い商品を増やすだけでなく、配達のシステム面での改善も進めて頂きたく、今回医薬品配達が置き配非対応ということで、この医薬品配達をきっかけに特定の商品に限り配達方法を直接受け渡し しか選択できないようなシステムを構築してもらえると配達員としては助かるかと。
また、置き配の話ついでに追加で話をさせてもらうと、現在の出前館の置き配ルールは他社に比べて合理的ではない部分も見受けられます。
ただ、出前館が定めている以上 配達員はそれに従うべきであり 私としてもそのルールについて文句はありません。
しかし、置き配を希望する注文者の中には「インターフォンを押して欲しくない」「配達員からの連絡に応答したくない」という方も多数存在し、そうした注文者の意図を無視することは顧客満足度を下げる要因の一つでもあり注文者への対応の在り方には疑問を感じざる得ません。
顧客満足度を下げないためにも注文アプリ上で「置き配時は配達員からインターフォンで連絡があります」「置き配場所を指定していない場合は配達員から置き場所の確認の連絡が入ります」等の注意事項をあらかじめ注文者へ通知し、注文者・配達員の双方が無駄な手間・ストレスを感じさせない より良いシステム作りにも注力してもらうことを切に願います。
出前館本部の関係者が本記事を読んでいるかは不明ですが、もしこの記事を読んでいたのであれば 今後は より注文者目線に立ったシステム構築をしてくれれば配達員としても幸いです。
最後に
今回は出前館の医薬品配達開始に関する情報をお伝えしました。
他社よりも少し遅れての医薬品配達となりましたが、今後もより多くの品目が配達対象として追加され より充実した配達サービスを展開してくれることに期待したいところではあります。
また、これから出前館での配達を始めようと思っている方は以下のマッハバイト経由で登録することでキャッシュバックが発生し、直接出前館から登録するよりもお得になります。
上記のマッハバイト経由で出前館配達員を検索する場合はトップページの「職種から探す」を選択し、[飲食・フード]→[デリバリー・ケータリング]を選んだ後に、ご自分のお住いの地域を選択して出前館の配達員募集を探してみてください。
もしお住いの地域に出前館募集が無かった場合は最寄りの地域・エリアからの登録でも問題ありませんので、より得するためにもマッハバイト経由での登録を推奨します。
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