今回は2024年7月から出前館で新たに導入される配達方式のPDDオファーを紹介していきます。
PDDの仕組み・報酬からメリット・デメリット・配達員として対応の仕方などを解説していきます。
PDDの詳細内容
ここでは出前館で新たに導入される新オファー方式(PDD)の各種詳細内容について解説していきます。
PDDとは
まず、新オファー方式であるPDDの説明の前に各アルファベットの意味から紹介していきます。
P…Pickupの略称で 店舗から商品を預かることを示します。
D…Dropの略称で 注文者へ商品を届けることを示します。
そして、新オファー方式のPDDとはPickup→Drop→Dropの事を示し 以下の画像のように1つの店舗から2件分の商品を同時に受け取り それぞれの届け先に配達することを示します。
上の画像にも記載しましたが、この配達方式はダブルピックアップとも呼ばれ、配達員の間ではこれを省略したダブルという名称で呼ばれています。
そして、このPDDのオファーが届くタイミングは以下の2パターンあります。
セット…2つのオファーがセットになって同時に届く
追加…1つのオファーを受諾した後に、同店舗の別の届け先のオファーが届く
要するに2件分まとめて届くか 1件ずつ分かれて届くかの違いで、最終的には同じPDDの配達方式となります。
尚、今回のPDD導入によりオファー通知時のスワイプアイコンが変更になり、その詳細については後述する『その他 変更点』にて解説していきます。
PDD開始時期・開始エリア
PDDは2024年7月1日(月)から全国一斉に導入されます。
尚、現時点では開始予定ということで 今後の展開によっては開始日程が変更になる可能性もあり、仮に変更した場合は本記事でも改めてお伝えしていきます。
PDDの報酬
結論から言うとPDDは通常の2件の配達に比べて報酬が下がります。
具体的にはPDDの1件目のオファーは従来通りの報酬となりますが、2件目の報酬は通常オファーの報酬よりも下がり ケースによっては基本報酬最低金額の400円を下回ることもあります。
ちなみに2件目の配達報酬の下限額については何も通達がなく、どこまで報酬が下がるかは現状不明となっています。
そして、2件目の報酬が下がる理由はピックアップが同一店舗になることで本来2店舗立ち寄る配達労力が軽減するからとのことです。
当然と言えば当然の処置ではあるんですが、出前館の魅力でもある高額報酬が軽減されてしまうのは残念で仕方ありません。
尚、すでに実装されている他店舗同時配達(PPDD)の報酬額には変更がないとのことです。
PDD配達の手順
PDDの配達も基本的には従来の配達方式と同様の流れになります。
ここではPDD配達ならではの従来と異なる点をピックアップして解説していきます。
そして、PDD配達の一連作業の中で 従来の配達と比較して異なる手順は以下となります。
オファー通知
PDD配達かどうかはオファー通知の段階で分かります。
尚、1件のオファーを受諾後に来る同一店舗ピックアップの追加オファーでは、追加となる報酬及び追加距離が表示されます。
また、これ以外にも画面下部に表示されるスワイプアイコンでもPDDかどうかが判別可能となり、その詳細については後述する『その他 変更点』にて解説していきます。
ピックアップ
PDDは同じ店舗から2件分の商品を回収する必要があることから、アプリの注文情報画面にも2件分の商品情報が表示されます。
尚、アプリで次の手順に進むためには 2件分のチェックを入れてから「2件受取完了」のボタンをタップする必要があります。
ドロップ
商品を届ける順番はアプリのタスクリストに表示された順番に従う必要があり、自分で順番を変更することはできません。
また、配達完了後のアプリ操作については通常の1件配達と同様となり、1件配達を完了する度にアプリ上で配達完了処理を実施していきます。
出前館ではオファー受諾後に30秒以内であればアプリ上でオファーをキャンセルできる仕様となっています(一部店舗はキャンセル対象外)
そして、PDDオファーの同店セットを受諾してオファーキャンセルすると2件両方がキャンセルされます。
ただし、後から追加で同一店舗のオファーを受諾してキャンセルを実行した場合は、追加オファーのみキャンセル扱いとなります。
本項目で解説した各種詳細内容については以下の出前館公式のマニュアルにて紹介されているので、より詳細内容が知りたい方はこちらもご参照ください。
その他の変更点
今回のPDD導入に伴い、オファー通知時にオファー受諾を決定するための「スワイプボタン」の表示内容が変更されます。
上画像のものは変更前のものとなり、変更後は以下の4種類のスワイプボタンのいずれかが表示されるようになります。
【PD】
ピックアップ⇒ドロップの通常の1件配達のオファーです。
【PDDセット】
ピックアップ⇒ドロップ⇒ドロップの同一店舗から2件配達するオファーです。
【PDD追加】
すでにPDオファーを受諾した状態で同一店舗から新たな届け先が発生したケースで、受諾することで ピックアップ⇒ドロップ⇒ドロップの同一店舗から2件配達するオファーとなります。
【PPDD・PDPD】
すでにPDオファーを受諾した状態で他店舗から新たな届け先が発生したケースとなります。
受諾することで以下の画像のような配達方式へと変わります。
尚、上記のパターンは以前からある配達方式で、これ以外にもPDPD(ピックアップ⇒ドロップ⇒ピックアップ⇒ドロップ)という 通常の1件配達を連続で行う配達方式の場合も上記のスワイプボタン『他店追加(1)』となります。
導入された理由
PDDが導入された最大の理由は経費削減(配達員の報酬削減)に他なりません。
出前館からすれば配達員の報酬を減らすことで経費削減となり会社としての利益が増えることになります。
経費削減のためにPDDを導入したという結論になるわけですが、もう1つ裏の理由があるのでは?という噂もあり、それが違法外人配達員の存在です。
ここで言う違法外人配達員(以下 「違法外人」と称する)とは法人経由でアカウントを不正な手段で入手し、フル電動自転車をナンバープレートなしで運転している ならず者を示します。
違法外人は都心部の至るところで見かけ、特にマクドナルド近隣に待機し お馴染みの出前館の通知音を慣らしながらフル電動自転車に乗っている光景は多々見かけます。
そうした違法外人が今回のPDD導入に関係しているという噂があるわけですが、関係理由も対極する2つの説に分かれています。
違法外人とPDD導入の関係理由の1つ目は 出前館が違法外人の取り締まりを徹底していくという説です。
PDDを導入することで 現状よりも少ない配達員で より多くのオファーを回すことが可能となり、違法外人を取り締まって配達員が減ったとしても他の配達員でカバーすることができます。
こうした違法外人の取り締まりを見越してPDDを導入したとなると、出前館もようやく重い腰を上げてくれたのかと少しは感心できます。
ただ、そうした感心できると思える一方で対極をなす もう1つの理由があると言われています。
その対極をなすと言われるもう1つの違法外人とPDD導入の関係理由は出前館が違法外人を現状のまま野放しにするという説です。
出前館は「フル電動自転車を使用する配達はNGであり、個別に厳正な対応を取っています」と言ってはいるものの、現状一向に減る気配は見られません…
仮にまっとうに稼働している配達員から通報してアカウント停止になったところで、また法人経由で別のアカウントを入手して配達再開できるので いたちごっこになってしまいます。
こうした事情は当然出前館運営も把握しているはずで、口では不正配達員を取り締まると言いながらも実際に出前館は何もアクションを起こしていないと配達員界隈では言われています。
そうした実情から、出前館は違法外人の存在を暗に認める代わりに、PDDを導入して報酬単価を下げたのではないか?というのが「違法外人 野放し説」の本質です。
違法外人はアカウントの不正入手やナンバー無しのフル電動自転車以外にもスマホの不正ツールを利用して根こそぎオファーを取っているとも言われており、出前館における配達割合も多いと言われています。
そうした配達に占める割合が多い違法外人の報酬を下げることで、出前館としての経費削減効果の影響は結構大きいのではないでしょうか。
不正ツールでPDDオファーだけ うまく避けるという見方もありますが、多少の減額でも報酬が発生することに変わりはないわけで 違法外人からすればPDDの報酬減はさほど気にならないのかと。
そして、不正行為取り締まりから逃れらる違法外人と それらの報酬コストを削減できる出前館ということで悪い意味でのWin-Winの関係になるのではないでしょうか。
PDDに関する問い合わせ
今回紹介している出前館の新オファー方式(PDD)に関する問い合わせは以下の出前館公式の専用問い合わせフォームにて受付しています。
本記事を読んでPDDについての疑問や出前館に聞きたいことがあるという場合は上記の専用フォームにて問い合わせをお願いいたします。
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製品仕様・メリットはこちらで詳しく解説
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PDDのメリット・デメリット
ここではPDD導入によるメリット・デメリットを紹介していきます。
メリット
PDD導入によるメリットはほぼないとも言えるのですが、強いて挙げるとすれば 配達効率が上がることもあるかもしれない です。
ここで言う配達効率とは、配達に要する時間に対して貰える報酬額の高さを示します。
PDD2件目の配達報酬は減額されるものの 場合によっては同じオファーをPD→PDで1件ずつこなすよりも配達時間を大幅に短縮でき 時給としてみたらPDDの方が良いということもあります。
そもそも、出前館は現在地からピックアップ場所(店舗)までの距離は報酬に加味されていないこともあり、PDDは その報酬に加味されない移動距離が減るという意味では 少しお得かもしれません。
とは言え、後述する『デメリット』が多いが故に このメリットはほぼ体感できないかもしれませんが…
デメリット
PDD導入によるデメリットは以下となります。
次から上記項目の詳細内容を解説していきます。
報酬額が減少する
前述した『PDDの報酬』で解説したように、PDDの2件目の報酬は通常よりも減少傾向となります。
同一店舗から2件分の商品を回収でき 通常の2件配達に比べて配達労力が軽減されることから報酬減は致し方ないと思いますが、調理待ちのリスクが倍増することを考慮すると割に合わない気もします。
Uber Eatsであれば長時間の調理待ちが発生した場合は調整金が発生するかもしれないという補填がありますが、出前館は仮に1時間調理待ちしようが補填もなく 調理待ちを理由としての配達キャンセルもできません。
配達労力が少なくなるから安めの報酬でも受諾したのに調理待ちで大幅な遅延が発生し、最初から1件ずつ配達していた方が良かったということにも成りかねません。
こうした出前館の配達環境を考慮すると報酬額は現状の据え置きで行くのが適切だったのではないでしょうか。
評価が下がる
個人的にはこれがPDDの最大のデメリットだと思っており、PDDオファーは出前館の評価制度と非常に相性が悪いとも言えます。
まず、出前館の評価制度について簡単に説明しておきます。
出前館の配達員に対する評価は「配達時間」「商品の状態」「注文者への対応」「オファー受諾率」などの要素で決定し、配達遅延などで注文者からBad評価をもらった場合などは評価が下がります。
そして、ある一定数評価が下がってしまうと他の配達員と比べてオファー(配達依頼)通知が減るというペナルティを課せられます。
話を戻して、出前館の評価制度とPDDの相性が悪い点についてですが、これには2つの要因が絡んできます。
1つ目の要因はPDDによる調理待ちのリスクが増えることです。
PDDは2件分の調理が完了しないことには出発できないわけで、どちらか1件に調理遅延が発生すれば双方の配達に遅延が生じるわけで、配達遅延リスクが上昇し 結果的に悪い評価をもらう確率が増えてしまいます。
出前館の評価制度とPDDの相性が悪い 2つ目の要因はオファー通知を気軽に拒否できないことです。
PDDに調理遅延のリスクがあるのであれば、最初からオファー受諾を拒否すればいいだけの話で、そうすることがベストな対応とも言えます。
しかし、PDDが「あなただけに送信されたオファー(自分だけに通知されるオファー)」としてきた場合は話が変わってきます。
あなだだけに送信されたオファーの受諾率が下がると配達員評価に影響することから、PDDオファーを拒否する行為は自身の評価を下げることになってしまいます。
PDDオファーを受諾すると配達遅延の可能性があり、オファーを拒否するとオファー受諾率が下がり いずれも評価が下がるリスクが伴うという 進むも地獄退くも地獄という状況です。
オファー通知が減る
PDD導入により元々2件だったオファーが1件に統合されるわけで、そうなれば全体のオファー数も減ることとなります。
自分がPDDオファーを受諾すれば オファー通知が減る影響も多少は軽減できますが、基本的にPDDオファーは受諾することのリスクが高いため PDDオファー通知自体が無いも同然かと。
これらのことから、PDDオファーを積極的に受諾するしないに関わらず PDD導入後はオファー全体数が減少することになります。
商品の到着が遅くなる(注文者)
こちらは注文者のデメリットとなります。
PDDは2件分の調理が完了しないことには配達員は店舗から出発できないので、自分の料理が出来ていても もう1人の調理が完了しなければいけません。
仮に到着が遅れるとしても出来立ての料理を持ってきてくれればまだ許容範囲ですが、もう1件の調理待ちとなれば 自分の料理がその待ち時間分放置されることになり 鮮度が悪い状態で受け取ることになってしまいます。
自分の注文がPDDオファーになったからといって配達料金が安くなるということもないので、注文者から見ればPDDはデメリットしかないとも言えます。
また、このデメリットは注文者だけではなく、実は配達員にも影響します。
というのも、PDDによって商品到着が遅れる・料理の鮮度が悪くなるという事象が度々発生すれば いずれ注文者は出前館を利用しなくなるかもしれません。
そうなれば注文数が減るわけで、配達員への注文オファーも減ることになってしまいます。
このようにPDD導入は長い目でみれば注文者・配達員 双方へのデメリットになるリスクがあることとなります。
PDD導入後の対応方法
ここではPDD導入後の配達員としての対応方法について解説していきます。
デメリットの項目で話したように出前館の配達システムとPDDの相性は非常に悪く、現状PDDオファーは配達報酬に見合わずリスクが大きい配達とも言えます。
このことから配達経験が浅い人はPDDオファーを拒否すべきかと。
配達に慣れた人であっても 迂闊に受諾するのは危険で、様々な配達条件を考慮することが必要になるかと。
様々な配達条件とは、配達報酬を始め その店舗の特徴(調理待ちの傾向)・ お届け時刻・配達経路(それぞれの行先が店舗から真逆ではないか)などで、これらを瞬時に確認し 受諾するか否かを判断する必要があります。
特にPDDオファーが多くなるであろうマクドナルドについては、混雑する時期・時間帯の把握も必要であり、これだけ判断材料が多いのであれば「PDDオファーは受諾しない!」と決めつけてもいいかもしれません。
また、あなただけに送信されたオファーとしてPDDオファーが来た場合もオファー受諾率を気にせず拒否することをおすすめします。
と言うのも、オファー受諾率が下がるリスクとPDD配達によって発生するであろうリスクを比較すると オファー受諾率が下がるリスクの方が遥かに低いからです。
そもそも、配達員評価が下がった場合のペナルティであるオファー通知減少自体がほぼ無いとも言われており、最初から配達遅延やオファー受諾率低下を気にする必要はまったくないという見方もあります。
こうしたことから、PDDオファーは配達に要するトータルの時間と報酬だけを気にして受諾するか否かを判断すれば良いかもしません。
それと これは根本的な話になりますが、全体のオファーに対するPDDオファーの割合は非常に低いことが予想されます。
出前館よりも注文数が多いUber EatsですらPDD案件は非常に稀であり、出前館であればPDDオファーはUber Eats以上にレアケースになるのではないでしょうか。
PDDオファーの割合はPDDが実装されてみないと何とも言えませんが、いざ開始されたら全然PDDオファーが来ない…ということもあるかもしれません。
最後に
今回は出前館で新たに導入される配達方式のPDDオファーを紹介してきました。
結論として、新たに導入されるPDDは配達員にとっても注文者にとっても改悪であり、これがきっかけで出前館の需要が減るのではないかという心配もあります。
企業利益のために配達報酬を減らすという行為自体は致し方ないと思いつつも、既存の出前館の配達システムにおいて今回のPDDは非常に相性が悪いとも言えます。
PDD導入までは まだ少し時間があるので、その間に少しでもPDDがやり易い配達環境作りをしてくれないかと願うばかりです。
目下、兼ねてより問題となっている違法外人配達員を徹底的に取り締まってもらいたいものです。
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