今回はUberEatsの新たなサービス「3件同時配達機能」についての話題となります。
3件同時配達機能の詳細内容から、導入によるメリット・デメリット、そして導入後はどう立ち回るべきかを解説していきます。
同時配達機能の更新について
ここではUberEatsから通知があった同時配達機能の更新の概要について触れていきます。
まずはUberEatsからの通知内容を見ていきたいと思います。
この度、Uberは、2023年3月9日に、Uberのサービスを向上させるため、同時配達機能を更新し、1回の配達で、これまで最大2件の注文のみ同時に配達できたところ、最大3件の注文まで同時に配達できるようになります。
これまでは1回の配達で最大2件までだったものが、更に1件追加され最大3件まで対応することになりました。
本国アメリカではすでに3件同時配達が導入済みということで いずれ日本でも3件同時配達が実装されるのではないかと噂されていたことが現実となりました。
予想よりも早く 3件同時配達実装に驚いたわけですが、個人的に気になるのがUberEatsからの上記通知文の「Uberのサービスを向上させるため」という文面です。
普通に考えると3件同時配達実装はサービス向上どころかサービス低下を招く要因となり、サービス向上という文面には違和感があり「Uberの利益を向上させるため」なのでは?と不信感を抱きざるを得ません……
サービス向上については同じ通達メールの中で以下のようにも言っています。
同時配達機能は、配達の効率化により注文者の体験を向上させることと、配達パートナー様において1度の配達機会でこれまでより多くの配送料を得る機会を増やすことを目的としており、今回の更新により、かかる目的の実現をより促進することを目的としています。
「配達の効率化により注文者の体験を向上させること」とありますが、商品のお届け時間が短縮されるならまだしも3件同時配達になったら注文者にとっては より非効率になってしまうのかと。
本当に「注文者の体験を向上させる」ことを考えているのかはなはだ疑問ではあります。
尚、上記通知内容の配達パートナーへの配送料(報酬)については後程詳しく解説していきます。
トリプル内容詳細
ここでは新たに実装される3件同時配達の機能詳細について分析していきます。
尚、本記事ではこれ以降 3件同時配達のことをトリプルという名称で呼んでいきます。
導入開始日
トリプルの導入開始日については先ほど紹介した通知内容にもあったように2023年3月9日(木)からとのことで、いつもながら通知から短期間での実装となります。
ただ、他店舗ダブル(PPDD)が導入された際は、通知していた日程よりも1日遅れて導入された実例もあるので、トリプルも1日遅れの3月10日(金)になる可能性もあります。
ちなみにトリプル案件を受けるためへのアプリ更新の必要はなく、トリプル案件の依頼が発生すると誰でもリクエスト通知が来るようになります。
逆を言えば「トリプル案件のリクエスト通知を受けたくないから しばらくはアプリの更新はしない!」としていてもトリプル案件のリクエスト通知は来てしまいます。
トリプルの仕組み
トリプルの仕組みについては、まずはUberEatsからの通知内容を見ていきたいと思います。
同時配達とは、一人の配達パートナー様が、同じ店舗から複数の注文者の注文品を集荷しお届けする、または、複数の店舗から同時に配達依頼を受けてぞれぞれの注文品をお届けする配達です。
3件の注文の同時配達依頼を受ける流れや、かかる依頼を受諾する前に予定配送料が表示されることは、これまでの同時配達機能と同様です。また、これまでの同時配達機能と同様、配達パートナー様は、同時配達に関する配達依頼の承諾、または拒否を自由に決めることができます。
基本的にはこれまでのダブル(2件同時配達)と同様で、同じ店舗から複数の注文者の商品を受け取ることもあれば 異なる店舗から商品を受け取ることもある仕組みとなります。
トリプルの注文リクエストが来てから その案件を受けるか否かの選択や承諾した後のピックアップ前にキャンセルする権利も従来通りとなる模様です。
すでにUberEatsでダブル案件を受けたことがある方であれば簡単にイメージできるのかと。
個人的に気になるのはトリプル案件のリクエスト通知画面表示がどうなるかで、従来通りであれば すべての店舗・届け先の位置がマップ上に表示されるはずです。
ただ、他店舗ダブル(PPDD)導入直後はリクエスト通知画面のマップに店舗・届け先が表示されないバグ?があったことから、トリプル導入直後も店舗・届け先の位置情報が分からない状態でリクエスト通知が来る可能性があります。
トリプル導入後の懸念事項
ここではトリプル導入によって不安視されるであろう事項を取り上げていきます。
積載量問題
トリプル案件を受諾した場合の配達する商品の容量は単純に考えて1件配達の3倍・ダブル(2件同時配達)の1.5倍となり、これまで以上に運ぶ商品容量が増えます。
トリプル案件を受ける前提で配達するとなると配達バッグも複数持ちが当たり前になってきます。
移動手段によっては配達バッグ複数持ちも難なく可能かと思いますが、バッグ複数持ちが難しいという方も多いかと思います。
私自身は自転車稼働で配達バッグは常に背負っていますが、これまでのダブル案件に関しては 商品の量が多くてバッグに入らない・運べないという理由でのキャンセルは一度もありません。
しかし、トリプルとなるとさすがに商品容量が理由でキャンセルすることも辞さないと考えています。
ただ、店舗の調理遅延や無茶な配達ルートでのキャンセルはしょうがないとしても商品が詰め込めないという理由でのキャンセルは勿体ない気もします。
そうした配達の機会損失をなくすための私自身ができる対策としては、これまで一度も使用してこなかった前カゴを使うしかないのかと。
前カゴに保冷保温バッグを設置する必要はありますが、これであればトリプル配達にも何とか対応できそうです。
トリプルを受けるか否かは各配達員の判断とはなりますが、バッグ1つで配達するのであれば今後はUberEats公式バッグ(ウバッグ)がマストアイテムになるのではないでしょうか。
本記事でも より配達効率を上げるためのウバッグ改造方法を紹介してきましたが、今後はトリプル案件にも対応できるようにするための新たな改造が必要になってくるのかもしれません。
サービス低下問題
個人的にはこれがもっとも懸念される事項であり、トリプルの導入で顧客離れが起きてしまわないかと心配しています。
他店舗ダブル(PPDD)でさえ店舗の調理待ちやルートによっては「注文者をだいぶ待たせてしまった…」と思うことがあるわけで、これでもう1件増えれば今以上に待たせてしまうことは想像に難くないでしょう。
そうなると顧客満足度が減少し、UberEatsで注文する人が減ることで配達員への注文依頼も減りますし、何よりUberEatsの収益も減る恐れがあります。
仮にトリプル導入で注文数が減ることになれば、UberEats側としては注文が減った分 1件あたりの利益を上げるために配達員の報酬を下げることにも成りかねません。
顧客満足度に関連して もう1つ心配なのは優先配達を利用してくれている注文者への対応です。
優先配達とは注文者が追加で代金を支払うことで優先的に配達してくれるオプションサービスで、2件同時配達になった場合は必ず1件目の配達先として指定されるようになります。
個人的には追加で代金を払っているのだから、優先配達を選択すれば1件配達にしてくれる仕様であっても良いかと思うのですが、追加料金払ってトリプルになったら もはや優先配達の意味がないかと……
「お金を払って優先配達したので商品到着がかなり遅かった…」なんてことが頻発すれば、今後優先配達が使われなくなるどころかUberEats自体での注文もしなくなる可能性もあります。
そうした注文単価が高い傾向になるヘビーユーザーにも見放されたとなると結構深刻な事態になる可能性もあります。
もしかしたら、優先配達を選択すればダブル止まりでトリプルにはならない仕様になるかもしれないので現状は何とも言えませんが、百歩譲って配達員への配慮は怠っても 注文者への配慮だけはしっかりとしてもらいたいものです。
報酬減問題
配達員にとってはこれが最も気になる点かと思います。
トリプルの報酬に関してはUberEatsからは「配達パートナー様において1度の配達機会でこれまでより多くの配送料を得る機会を増やすことを目的としており」と記載はあるものの具体的な金額については触れていません。
現状の最低単価が1件配達(シングル)300円、ダブル400円(300円+100円)であることから、トリプルは500円(300円+100円+100円)の可能性が高いかと。
実際のところ すでにとある県ではトリプルのリクエスト通知が500円だったという報告もあります。
同時に3件こなせるから報酬単価が下がってもしょうがないと思う方もいるかもしれませんが、運ぶ商品量が増え これまで以上に配達難度も上がることから500円では割に合わない気もします。
ドリプル導入による可能性
ここまではトリプルの批判的な内容ばかりお送りしましたが、トリプル導入が決まった以上は それを受け入れるべきであり、マイナス面ではなくプラスとなることを考えていきたいと思います。
クエスト達成がより早く
トリプルが導入されば今以上に配達件数を多くこなせる可能性が出てきます。
そうなればクエスト達成までの時間も早くなり、クエスト達成を目標としている人には配達時間を短縮できるメリットがあります。
ただし、これはあくまでクエストがあるエリアの配達員が対象であり、クエストがないエリアでは配達件数を多くこなすこと自体はそれほどのメリットはありません。
それに誰かがトリプル案件を受諾することでそれ以外の配達員に案件が回ってこないというデメリットが発生します。
トリプル導入のタイミングが丁度閑散期に差し掛かるタイミングでもあり
一時的な報酬増
他店舗ダブル導入開始時に、高確率でダブル案件の配達報酬が見積もり料金よりもアップするという現象が発生しました。
こうした過去の事例を踏まえると、トリプル導入直後もこの現象が発生する可能性があります。
他店舗ダブルの時に調整金が多めについた原因は不明ですが、個人的な見解としてトータルの配達時間の計算処理がうまくできずに起きたのではないかと。
トリプルは他店舗ダブル以上にトータルの配達時間がかかることから、見積もり金額500円でも2倍・3倍の報酬に化けるなんてこともあるかもしれません。
ただし、これはあくまで個人的な予想であるので いざトリプルを受けてみたら「500円で調整金なし…」ということも大いにありえるので、こうなったらいいなーという願望に留めて頂ければと思います(笑)
配達員のマッチングがしやすくなる
これは配達員ではなく注文者・店舗側のメリットとなるわけですが、1人の配達員でより多くの件数がこなせるようになることで より多くの注文がさばけるようになります。
これにより注文者は配達員のマッチング率があがり、配達員がなかなか決まらずに届け時間が遅延することが今よりも減るかと。
それと店舗側も配達員のマッチング率があがることで商品を廃棄する機会も減るのではないでしょうか。
他店舗ダブルが導入された状態でも 配達員がなかなか決まらないという方にとってはトリプル案件は朗報なのかもしれません。
ただし、配達員がマッチングしたと思ったら自分が一番最後の届け先だと、それはそれで嫌なわけで……
トリプル導入後はどう立ち回るべきか?
基本的にピックアップ先・ドロップ先に特別問題なければ とりあえずは受諾することを個人的に推奨します。
ただ、受諾したからといって3件配達するのではなく、その中から効率良く運べそうな案件を選別していくことが今後の立ち回りの基本形になるのかと。
UberEatsは受諾した案件でもピックアップ前であれば簡単にキャンセルすること(受けキャン)ができるので、その機能を使わないわけにはいきません。
ただし、受けキャンが簡単にできるからと言って、受けキャンを多発するとペナルティが発生するとも言われているので それが怖いのであればトリプル案件自体を拒否することも必要になるのかと。
また、評価を気にする方は導入から1~2か月ほどはトリプル案件を避けた方が良いかもしれません。
注文者にはトリプル導入のことは告知されないはずなので、トリプル導入当初は「遅すぎる」というクレーム(Bad評価)がそこそこ発生することが予想されます。
ただ、Bad評価が怖いからといって初めからトリプル案件を拒否してしまうのも勿体ないわけで、とりあえず受諾してキャンセルで案件を1件・2件に絞っていけばBad回避も可能かと。
そして、ある程度時間が経てば注文者にもトリプル配達があることが認知され、それらを許容する人もいれば注文自体を辞める人も出てきて Bad評価を付けられる確率も減ってくるのではないかと思われます。
現状、配達員の評価制度自体あまり機能していないので 評価を気にせずに配達すれば良いわけですが、理想を言えばトリプル導入を機に評価制度自体を撤廃してくれるとありがたいかと。
最後に
今回はUberEatsのトリプル配達実装 (3件同時配達)について解説してきました。
他店舗ダブル(PPDD)導入から 約4か月後にトリプル配達が実装されることとなり、ここまで早くトリプルが実装されることを予想していた人も少ないのではないでしょうか。
トリプル実装によりUberEats配達の環境が今以上に悪化する可能性も考慮され不安視される方も多いかと思いますが、フードデリバリーはUberEatsだけではありません。
地域によってはフードデリバリーの選択肢がないところもあると思いますが、出前館・Wolt・menuなどの他のフードデリバリーを展開している地域であれば それらをやってみるのもありかと思います。
まだUberEats以外のフードデリバリーに未登録ということであれば、以下のマッハバイト経由で登録することでキャッシュバックが発生することがあり、直接 各フードデリバリー会社へ申し込むよりもお得になります。
上記のマッハバイト経由でフードデリバリーを検索する場合はトップページの「職種から探す」を選択し、[飲食・フード]→[デリバリー・ケータリング]を選んだ後に、ご自分のお住いの地域を選択すれば該当するフードデリバリーが表示されるので、気になる方は検索してみてください。
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