今回は2025年11月12日から東京・横浜エリアにて開始するUberの荷物輸送サービスのCourier(クーリエ)について紹介していきます。
クーリエのサービス詳細内容から配達員として対応方法・クーリエの将来性などについて解説していきます。
Uber Courier(クーリエ)サービス詳細内容

ここではUberのCourier(クーリエ)のサービス詳細内容について紹介していきます。
Uber クーリエとは
Uberのクーリエとは、Uberアプリを利用して、個人間で荷物の輸送を行うサービスで、指定の場所まで荷物を送ったり、指定の場所から荷物を受け取ったりすることができます。
クーリエはバイク便のような小型荷物を迅速に届ける運送サービスと類似するものであり、イメージとして 山田太郎さんから荷物を預かって田中一郎さんへ届ける という感じのサービスとなります。
荷物の輸送に関しては UberEats配達パートナー(配達員)が担当し 配達員の移動手段は徒歩・自転車・バイク・軽貨物のいずれかになります。
そして、クーリエの最大の特徴はUberEatsアプリから発送依頼が出来るという点です。

これまでUberではスマホ修理・荷物集荷・ロッカー配達など様々な新サービスを導入してきましたが、これらはUberDirectのサービスであり 利用する場合は別のプラットフォーム・サイトから依頼する必要がありました。
また、UberDirectサービスの場合はそれぞれのプラットフォームに本人情報を登録する手間がありましたが、クーリエに関してはUberEatsアプリから依頼できるため Uberで本人情報を登録しておけば利用することができます。
こうしたことからクーリエはUberEatsの延長上のサービスと言えるのではないでしょうか。
クーリエはUberTaxiの中の1つのサービスと分類されており、実のところUberEatsのサービスではありません。
しかし、クーリエの依頼はUberEatsアプリから可能となっており、クーリエ利用手順は以下となります。
- UberEatsアプリを起動し、画面上部の「タクシー」をタップ
- 画面下部の「荷物を配送」をタップ

あとは「荷物を送る」or「荷物を受け取る」を選択し、必要情報を入力していきます。
このことから、UberTaxiアプリをインストールしなくてもクーリエが利用可能となっています。
クーリエ 利用条件
まず、UberのクーリエはUberEatsアプリから依頼をするのでUberに本人情報を登録する必要があります。
そして、UberEatsアプリも事前にインストールしておく必要があります。
これらの準備が完了したらクーリエを利用できるわけですが、クーリエ利用については以下の条件 全てを満たしている必要があります。
- 重量が8kg以下であること(4輪の場合は20kg以下)
- 体積が45cm x 45cm x 30cm以内であること(4輪の場合は73cm x 124cm x 110cm以内)
- 包装され、密封され、配達に適した状態であること
- 合計1万円(税込)以下の物品を含む荷物
- 禁止品・違法品を含まないこと
この上記条件を1つでも満たしていなければクーリエにて輸送することはできないわけですが、次から上記利用条件項目について補足説明をしていきます。
まず、重量・体積については基本的に8kg以下・45cm x 45cm x 30cm以内である必要があるわけですが、4輪(軽貨物)に関しては20kg以下・73cm x 124cm x 110cm以内 と制限が緩和されます。
ただ、依頼者は配達手段(徒歩・自転車・バイク・軽貨物)が選択できない模様のため、運よく軽貨物が来ない限りは8kg以下・45cm x 45cm x 30cm以内にしておく必要があります。
次に輸送物品・荷物の状態については「包装され、密封され、配達に適した状態」ということで、当たり前と言えばあたり前ですが 運びやすい状態にしておく必要があります。
配達員はUberEats配達パートナーということで、基本的に配達バッグを所持しており、それに収めて崩れたり壊れたりしない状態にしておけば大丈夫なのかと。
最後に輸送に関する禁止品・違法品については、項目が多いため代表的な対象物をピックアップしていきます。
- タバコ製品・アルコール飲料
- 武器・爆発物
- 人・動物
- 現金・硬貨
- 合計1万円(税込)を超える物品を含む荷物
上記リストに該当するものはクーリエ輸送における禁止品・違法品に該当するわけですが、注目すべきは荷物は合計1万円以内であることです。
これは荷物を紛失した場合の最悪のケースを想定してのことだと思われます。
配達員からすると梱包された荷物が何かは分からないので、1万円を超えるものでも輸送可能ではありますが、万が一配送中に紛失してしまうと輸送規約上 1万円までしか補填されない可能性もあります。
このことから、中身が分からないことをいいことに他の輸送サービスでは取り扱えない高価な物を発送することは控えた方が良いかと。
尚、禁止品・違法品に関する詳細内容については以下の公式サイトヘルプをご参照ください。
クーリエ 開始時期
クーリエは2024年12月に広島・沖縄にて先行導入され、2025年7月に札幌・名古屋・神戸、2025年10月に大阪・京都・仙台・青森などのエリアでも開始されました。
そして、2025年11月12日から東京・横浜でもクーリエが開始されることになります。
これにより主要都市をほぼ網羅する形となり、あとは福岡で開始されれば、クーリエも全国主要都市での展開ということになるのではないでしょうか。
徐々に展開エリアを拡張しているクーリエサービスではありますが、すでにサービス導入している各エリアでの利用率は非常に低く 認知度は非常に低いとも言えます。
現状、クーリエは試験導入的な扱いなのかもしれず、全国展開が先かサービス終了が先と言ったところでしょうか。
配達員のクーリエへの接し方

ここでは「Courier(クーリエ)」導入によってUber配達パートナー(配達員)はどう接していくか について解説していきます。
配達員側の対応方法
クーリエ案件を受けるためには、UberDriverアプリでの設定が必要となり、設定手順は以下となります。
まず、UberDriverアプリにログインしトップ画面左下の設定アイコンをタップします。

設定のサービス項目にて「荷物」のチェックボックスにチェックを入れます。

尚、クーリエ案件受信設定は累計配達回数100回以上が条件となるため、配達回数が100回未満の場合は「荷物」の項目が表示されないので ご注意ください。
クーリエ案件の受信設定が完了したら、あとはオンラインにして配達依頼を待つのみとなり、クーリエ案件を受信した場合はリクエスト通知画面に「荷物」と表示されます。

リクエスト通知時の表示される各種情報については通常案件と同様となります。
リクエスト受諾後は 通常案件と同様に、荷物集荷場所で荷物を受け取り届け先に荷物を渡して配達完了となります。
以上がクーリエ案件の配達員としての対応方法となりますが、受信設定さえ済ませれば あとは通常案件と同じ手順となるので 特別難しいことはありません。
クーリエ案件は受諾すべきか
結論から先に言うと、クーリエ案件は受諾しない方が無難と言えます。
受諾しない方が良いと思った理由は、手間がかかる割に配達報酬が大したことがないからです。
まず、手間がかかるという点ですが、クーリエは通常配達と比較して 手間がかかるであろう要素が多くあると感じます。
個人的に手間がかかると思っているのは、荷物の重量・大きさ、ドロップ(お届け)です。
クーリエで輸送する荷物は基本的に8kg以下・45cm x 45cm x 30cm以内と定められているわけですが、荷物は直接配達員が配送するので、極論 規定重量・サイズをオーバーしていてもUber側では規制できません。
もちろん、配達員は荷物を受け取る前に依頼拒否もできるので運べない荷物だった場合キャンセルすることも可能です。
ただ、そうなると依頼者のところまで行ったにも関わらず報酬はゼロなわけで無駄足ということになります。
また、規定サイズの45cm x 45cm x 30cm 目一杯だとウバッグ(UberEats公式バッグ)にギリギリ入らないと、悪い意味で絶妙なサイズに設定されているのでウバッグとの相性も良くありません。
次にドロップ(お届け)についてですが、クーリエは基本的に依頼者が指定した届け先に荷物を輸送するわけで、この届け先の人が荷物の到着を把握しているかどうかという不安が出てきます。
通常の配達(UberEats)であれば、依頼者(注文者)が届け先になるので、当然依頼者は商品を届くことを把握しています。
しかし、クーリエの場合は基本的に依頼者と届け先の受取人は異なるわけで、もし 依頼者が一方的に発送してしまうと届け先でややこしいことになる可能性があります。
仮に届け先で揉めたとしても受取人がいれば まだ良い方で、最悪 受取人が不在という事態になり、そうなれば荷物を依頼人の元へ持ち帰らなくてはいけません。
さすがに依頼者も受取人には事前に伝えているとは思いますが、結構いい加減な人も多いのが実情なわけで、そうした不測の事態はそこそこの頻度で発生するのではないでしょうか。
そして、配達報酬については Uber公式から「クーリエの配送料の算出方法は通常の配達と変わりません」と発表されており、特別報酬が高くなるわけではありません。
こうした手間やリスクがあるにも関わらず通常配達と報酬が変わりないのであれば、デメリットの方が大きいと言えます。
ただ、現状クーリエを利用する人は非常に少ない模様で、根本的にクーリエ案件を受諾する確率が非常に低いので「クーリエ案件が来たらどうしよう?」と心配する必要もないかもしれません。
クーリエ案件を受諾するか否かは通常配達の時と同じように報酬単価・ドロップ先の位置などで判断すれば良いのかと。
配達員に必要な準備
クーリエ案件だからといって特別 何かを準備する必要はなく、普段の配達と同じように身構えておけば問題ありません。
強いて準備事項を挙げるとするとバッグのサイズで、クーリエ配達は大きいバッグでやるべきであり、おすすめなのはウバッグ(UberEats公式バッグ)です。
クーリエで輸送する荷物の規定サイズは45cm x 45cm x 30cm で、以下のウバッグ(UberEats公式バッグ)にマッチしていると言えます。

ただ、上記ウバッグのサイズは外寸であり内寸はもう少しサイズが小さくなるので、クーリエ規定サイズ ギリギリになると収納できなくなります。
また、ウバッグの奥行きは拡張可能で 奥行き43cm(外寸)まで拡張できますが、一部しか拡張できないので クーリエ案件においてはあまり意味を成しません。
そんなウバッグでも厳しい状況ではあるんですが、現状 背負えるタイプのバッグで一番大きいのがウバッグとなっているので、基本的にはウバッグ一択で問題ありません。
ちなみに、ウバッグをより効果的に使う方法を以下の記事にて解説しているので、より効率的に配達をしたいという方はこちらも見て頂ければと思います。
尚、ウバッグを含む おすすめ配達バッグを以下の記事にて紹介しているので、バッグ選びに迷っている方はこちらもご参照ください。
Uber クーリエの期待と不安

ここでは「Courier(クーリエ)」について期待すること不安視することを紹介していきます。
注文依頼の増加
クーリエ案件が開始されれば注文数自体が増加するわけで、そうなれば配達員への配達依頼も増えるということになります。
そうなれば今以上に配達依頼も来やすくなるので、配達員にとっては歓迎すべき状況とも言えます。
ただ、クーリエ案件で配達依頼が爆増するかというと その可能性はかなり低く「クーリエって本当に開始している?」と思えるぐらい 体感では配達依頼数が増えたことをまったく実感できないのかと。
現に すでに先行的に開始している各エリアでもクーリエ配達の話題は全くなく、サービスがあること自体 知らない配達員も多いのではないでしょうか。
500~1000回のリクエスト通知でクーリエ案件が1回来るか来ないかぐらいの利用頻度になるのかと…
犯罪の温床となる?
クーリエに対して配達員からは「やばい物を運ばされそう」「詐欺の受け子に使われそう」「犯罪に巻き込まれそう」などの声も聞かれますが、実際のところ クーリエが犯罪の温床となってしまうのでしょうか?
私が思うにクーリエが犯罪の手段として使われる可能性が限りなくゼロに近いと思っており、もし悪用するとしてもリスクが高すぎます。
犯罪としてクーリエを使うのであれば偽名・偽住所・足が付かない電話番号・不正取得したカード情報等で登録するとは思いますが、それでも登録することのリスクは否めません。
仮に登録に関するリスクを克服したとしても、肝心の輸送面でのリスクが大きいと言えます。
まず配達員が確実に届けてくれるという保証もありません。
極々一部ですが悪意を持った配達員も存在するわけで、そうした配達員が荷物を勝手に開封してアカウント停止覚悟で その荷物を盗む可能性もゼロではありません。
それに犯罪関連で運ぶ物であるとすればいずれも高額な品である可能性が高く、それを輸送中に紛失されたとしてもUberは1万円までしか補填してくれないでしょう。
(クーリエでは1万円を超える物は輸送対象外としているため)
善良な配達員であっても輸送中に事故等で中身が見えてしまい それが違法品だとしたら 警察に通報されるかもしれませんし、最悪 届け先に警察を連れてくるなんてこともあるかもしれません。
そうした不確実性を考慮すると、犯罪に関連する荷物をクーリエで輸送することは依頼主にとって危険でしかありません。
そんなリスクを冒すぐらいなら自分で運ぶか信頼できる人間に運ばせるでしょうし、クーリエを犯罪手段として利用するのは愚かすぎるとも言えます。
こうしたことから、クーリエが犯罪の温床となることはあり得ないわけで、仮に運悪く犯罪の関わる荷物を輸送して それが発覚したとしても、責任を問われるのは そのプラットフォームを用意したUberとなることでしょう。
それに、犯罪に加担させられると心配するのであれば、設定でクーリエ案件の受信をオフにしておけば良いわけで、そうした心配すること自体が無駄と言えます。
クーリエは今後流行る?
徐々に展開エリアを広げているクーリエですが、今後 利用者は増えていくのでしょうか?
現状 利用者は皆無と言えるぐらい クーリエの認知度は低く 先行きに不安すら感じます。
そもそも、日常生活でクーリエを使用するシーンが私には想像できず、誰がどういう目的で使用するのか気になって仕方がありません(笑)
とは言えUberが 持ち前の配達網を活用して手広くやること自体は歓迎すべきであり、何かがきっかけでクーリエの利便性が知れ渡れば 利用者も増えるかもしれません。
そうなるためにも、まずはUberがクーリエの利便性・使用シーンなどを積極的に広めていくことが重要なのかと。




コメント