DoorDashとWoltの統合に関する報告 解説

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今回は2022年6月1日にDoorDash(ドアダッシュ)から発表されたWolt(ウォルト)買収に関する続報である統合に関する報告について解説していきます。

DoorDashがWoltを買収した件については以前当サイトでも取り上げたわけですが、あれから約半年経ち新たな情報 そして衝撃的な発表があったので それらについて私に見解を交えながら紹介していきます。

目次

DoorDashからの通達内容

今回のDoorDashからユーザー(注文者)とダッシャー(配達員)それぞれにWolt買収についての続報メールが送信され、それぞれに通達された内容を見ていきたいと思います。

ユーザー(注文者)への通達内容

DoorDash(ドアダッシュ)からユーザー(注文者)へ通達した内容は以下となります。

ユーザー(注文者)への通達内容 1

2021年11月に発表されました、ドアダッシュによるWoltの買収が2022年6月1日に正式に完了したことをお知らせいたします。

ドアダッシュは、「Wolt(ウォルト)」ブランドへ統合し生まれ変わります。「デリバリーを通じて地域社会へ貢献する」という共通のミッションのもと、より多くの都市で、より多くのユーザーの皆様へ、「おいしい」や「便利」をお届けすることを楽しみにしています。

つきましては、2022年8月31日に、ドアダッシュブランドとしてのサービス・アプリの提供を終了し、Woltブランドで日本国内でのビジネスを展開・強化していく予定です。

そして上記の内容に関する変更点・注意点も通達が来ており、その内容については重要な内容だけピックアップして以下に記載します。

以上がDoorDash(ドアダッシュ)からユーザーに通達された内容となりますが、重要な点をまとめると以下となります。

ユーザーへの通達内容 まとめ
  • DoorDash(ドアダッシュ)ブランドはなくなり、Wolt(ウォルト)ブランドに統合
  • 2022年8月31日にDoorDashのサービス・アプリの提供を終了
  • DoorDashより付与したクレジット及びプロモコードの有効期限は2022年7月31日
  • DoorDash加盟店は今後Wolt加盟店に移行?

以上がDoorDashからユーザーへ通達されたまとめとなりますが、基本的にこれまでWolt利用ユーザーについては何ら変わらずこれまで通りのサービスが継続して利用することができます。

それに対してDoorDashユーザーについては、DoorDashブランドが消滅するということで2022年9月1日以降はこれまでのサービス利用は不可となり、通達内容では既存のDoorDash加盟店を随時Wolt加盟店に移行するような文面がありますが9月1日から即切り替わるということでもなさそうなので、当面の間は別のフードデリバリーサービスを利用せざるを得なくなります。

ダッシャー(配達員)への通達内容

DoorDash(ドアダッシュ)からダッシャー(配達員)へ通達した内容は以下となります。

ダッシャー(配達員)への通達内容

2021年11月に発表しました、DoorDashによるWoltの買収が2022年6月1日に正式に完了したため、日本国内におけるサービス提供についてご連絡を申し上げます。

・日本では両社の運営を統合し、お客様の利便性を最大化するという観点から「Wolt(ウォルト)」のブランドおよびアプリで、今後のサービス提供を継続していくこととなりました。ダッシャーの皆様におきましては、これまでDoorDashで稼働していただき厚く御礼申し上げます。DoorDashのサービスおよびアプリは、2022年8月31日に終了します。

DoorDashとあなたとの間の「配達パートナーとの契約-日本」をDoorDashサービスおよびアプリの終了日(2022年8月31日)で終了させることを通知致します。

今後は、Woltの既存稼働エリアを含む40エリアでサービスを展開予定です。

・既にWoltでアカウントをお持ちの方は、引き続きWoltのアプリ上で稼働いただきますようお願いいたします。

・まだWoltのアカウントに応募されていないダッシャーの皆様は、Woltへ応募する特別なサインアップ・ボーナスなども用意しております。ボーナスの詳細に関しては、別メールにて追ってご連絡させていただきます。

・今回の統合に関する説明会の機会を予定しておりますので、近日中に追って詳細をご連絡いたします。

※挨拶等の内容については省略

以上がDoorDash(ドアダッシュ)からダッシャー(配達員)に通達された内容となり、上記の表の特別なサインアップ・ボーナスについては統合通達の翌日6月2日に以下の内容が発表されました。

上記のボーナス適用の条件は「2022年6月1日時点でダッシャー(DoorDash配達員)登録済みで まだWoltに未登録な配達員が対象であり、すでにWoltへ登録済みの配達員は対象外」ということですが、かなり破格なボーナス額とも言え「上記キャンペーンは予告なく終了する場合があります」とのことなので 上記の条件に当てはまる配達員はできるだけ早い内に登録した方が良いかと。

尚、ダッシャーという呼び方は余り馴染みがない方も多いと思いますので、これ以降はダッシャーをすべて配達員という呼び方で解説を続けていきます。

そして上記の配達員への通達の重要な点をまとめると以下となります。

配達員への通達内容 まとめ
  • DoorDash(ドアダッシュ)ブランドはなくなり、Wolt(ウォルト)ブランドに統合
  • 2022年8月31日にDoorDashのサービス・アプリの提供を終了し、アカウントをWoltに引き継ぐことはできない
  • 今後は40エリアでサービスを展開予定 ※エリア詳細は後ほど説明
  • 既存のWolt配達員は従来通り稼働が可能
  • 既存のDoorDash配達員で、新規でWoltに登録する場合は特別なボーナスが付く(特定地域のみ対象)

以上がDoorDashから配達員へ通達されたまとめとなりますが、基本的にこれまでWolt配達員についてはこれまで通り配達を継続することができます。

それに対してDoorDash配達員は2022年9月1日以降はDoorDashでの配達業務ができなくなるため、配達を継続したい場合は他社のフードデリバリーをする必要があります。

自分の配達エリアがWoltに対応していれば当然そちらで配達することも可能ですが、既存のDoorDash配達員が新規でWoltに登録する場合は特別なボーナスが付く予定とのことなので、今すぐにWoltに登録せずにDoorDashから続報があるまで待った方が良いかと思います。

今後のDoorDash・Woltの展開について

今回の通達の最大のポイントは何と言ってもDoorDash(ドアダッシュ)が2022年8月31日に日本でサービスを終了するということで、2021年6月9日(水)に日本でサービスを開始してからわずか1年ちょっとでの日本撤退となってしまいました。

以前DoorDashがWoltを買収した件に関する記事の中で私は「DoorDashが新規展開するエリアから徐々にWoltを無くし、最終的にはDoorDashブランドだけが日本に残る」と予想しましたが、その予想は見事に外れ 真逆の「Woltブランドが日本に残る」という結果となりました。

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Woltを買収したDoorDashが撤退し 買収されたWoltが残るというのはおかしな構図ではありますが、買収したのはあくまでDoorDashでありDoorDashブランドは日本から消滅するものの経営管理は引き続きDoorDashが継続することになるのかと。

ここで配達員が最も気になるのは今後日本でのWoltの展開ですが、ユーザー(注文者)には「配達エリアの拡大と加盟店様の移行をすすめて参ります。」という通達で、配達員には「Woltの既存稼働エリアを含む40エリアでサービスを展開予定です。」という通達で双方微妙にニュアンスが異なるのが少し気になります。

まず配達員向けに送られた上記の40エリアの内容は以下の表となります。

現在DoorDashが展開するエリアは北海道・宮城県・埼玉県・千葉県となり、その各都道府県でもごく一部のエリアしか展開していない地域もあり 全国的に見れば非常に狭く、上記表の「埼玉(7月以降)」というのがDoorDashからWoltに移行するエリアなのかと。

ユーザー側には配達エリアの拡大と伝えていますが、配達員には40エリアでサービス展開ということで 現状のWoltの稼働状況を見ても今後上記の表以外のエリアに進出するという可能性が非常に薄いかと。

というのも本来であればDoorDashという名のブランドで統一して更なるエリア拡充を図り ゆくゆくはUberEatsに匹敵する程の展開を日本で予定していたのではないでしょうか(あくまで私の憶測ですが…)
それがフタを開けてみればエリア拡充どころか1年ちょっとでのDoorDashブランドの終了となり、DoorDashブランドに統一しなかったのは今後日本で展開してもフードデリバリー事業では利益が見込めないと判断し 極力資金を使わない既存のWoltブランド継続になったのではないでしょうか。

そしてWolt自体 元々日本での展開にやや苦しいこともあった結果の買収になったでしょうから、これまで通り展開しても順風満帆に行く可能性は低いかもしれません。

唯一の希望として海外(特にアメリカ)での実績を持つDoorDashのノウハウをWoltで最大限に生かすという道もありますが、そのノウハウが日本で通用しなかったからDoorDash撤退になったのでしょうからWoltブランドが日本を撤退するのもそう遠くないかもしれません…

今後のフードデリバリー業界の動向について

最後に今回のDoorDashからの通達の件を踏まえて、今度のフードデリバリー業界の動向について日本国内でも比較的規模が大きい各社ごとの展開内容を私の見解を交えて解説してきます。

Wolt(ウォルト)

まず今回の話題の中心となった「Wolt(ウォルト)」については、ブランド継続ということでこれまで通り展開する形となりましたが、買収以前から苦しい状況が続いてたわけで、今後もその状況が一気に逆転するということも考えにくく 日本での展開も徐々にエリアが縮小していくのではないかと。

ただ個人的な意見になりますが、マスコットキャラがかわいいのとUberEatsの対抗馬としても存続して欲しいことから何とかここから逆転の方法を見つけてできるだけ長く日本での活動を続けて欲しいものではあります。

Menu(メニュー)

Menu(メニュー)」ついては正直なところWolt以上に厳しい状況なのではないかと思われ、具体的な業績は把握していないものの配達員からは注文が入ってこないという声を筆頭に報酬に関する話題など どれも不満や今後の展開を心配する声が多々入っており、また近い内に何かしらの続報が入るのではないかと予想しています。

具体的にどういった続報かは私にも分かりませんが、少なくとも配達員にとってはマイナスとなる要素の情報かと思われ、現在Menuをメインに配達している方も いつ悪い知らせがくるのかと戦々恐々としているのかと。

出前館

ここ最近はいろんな意味で何かと話題の「出前館」ですが、明るい話題としては自動配送(自動差配)への移行を進めており これまでのアナログ方式な配達からデジタル方式の配達への変換が進行中で、2022年8月頃から新たな出前館としてサービス展開が期待されています。

しかし、新たなサービス展開が期待される一方で すでに自動配送稼働している地域の配達員からは その新システムの使い勝手がよろしくないという声も多々聞かれ これまでのアナログなシステムも完全には払拭できていないことから中途半端なシステムのまま全国適用して大丈夫なのか?と心配する配達員も少なくありません。

そして肝心のユーザーからの注文も、現在は送料無料を実施している地域ですら以前のキャンページよりも注文が少なくなったという配達員からの声もあり 決して順風満帆とは言えない状況でもあります。

ただ、DoorDashが日本から撤退が決まった今 UberEatsとまともに対抗できるのは出前館なわけで、実際少し前までのフードデリバリーの国内シェアNo.1は出前館であり 何とかもうひと踏ん張りみせて欲しいところではあります。

UberEats(ウーバーイーツ)

最後は日本のフードデリバリー業界の最大勢力とも言える「UberEats」ですが、随時エリア拡大を展開しており その勢いはますます増すばかりで 唯一Uberに対抗できると言われたDoorDashが撤退発表をした今 その牙城はゆるぎないものに変わりつつあります。

ただ、好調の裏には配達員の犠牲もあり 配達員への報酬は徐々に下がる傾向があり 様々な面で配達報酬減が進行中で これまでUberEatsをメインとして稼働している人にとっては厳しい環境になりつつあります。

配達員の中にはこのまま報酬減が続けば配達員が減ってUberEatsは衰退していくとおっしゃる方も少なくないのですが、報酬が減っても配達を続ける人は必ずいるわけで今以上に報酬が減ったとしても注文が回せなくなるほどの配達員が足りないということになることはまず考えにくく、更には次々と他社のフードデリバリーが撤退していく状況もあり配達できるフードデリバリーの選択が絞られつつある現状を考えると逆にUberEatsの配達員が更に増えるかもしれません。

そうなればUberEats側としては更なる利益アップのために報酬減は今後も続き、配達員にとってはより一層厳しい時期が訪れるのではないかと思います。

まとめ

配達員にとってフードデリバリー会社が減るということは基本的にはマイナス要素であり、今回のDoorDash日本撤退も配達員にとってはバッドニュースとも言えます。

しかも一部の配達員からは大いに期待されていたDoorDashが撤退というのは、今後のフードデリバリーに暗雲が立ち込める形となってしまいました。

ただ、DoorDashが期待されていたのも日本上陸直後であって いざサービス展開すると期待されていたほどに配達員を満足させることはなく、次第に先行きに不安を感じる配達員も増えてきたとか。
私自身、東京でのサービス開始を今か今かと待ち望んでいたわけですが、サービス開始予定時期になっても展開する気配はなく「東京でのDoorDash展開は当面の間ないかもしれない」と不安もあり、結果的には東京でダッシャー(DoorDash配達員)を見ることはなくなってしまいました…

全体的に今回の記事は消極的な内容が目立つ形となってしまいましたが 文句を言っても何も始まらないわけで、フードデリバリー自体は日本でも展開できるという実績をUberEatsが作りつつあるので、その実績を参考にして まったく新しいフードデリバリーが近い将来 日本に進出!する可能性も無きにしもあらずです。

何も根拠がない未確定な憶測ではありますが新たなフードデリバリーの出現の希望を胸に 配達員としては現状できうる最大限のことを実施して前向きに この苦しい状況を乗り切っていこうと思います。

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