今回は他社サーバーからエックスサーバーへワードプレス(ブログ)を移行させる方法を紹介していきます。
本記事では以下のような人を対象としています。
- さくらインターネットからエックスサーバーへ移転したい人
- スターサーバーからエックスサーバーへ移転したい人
- ロリポップからエックスサーバーへ移転したい人
- ConoHaWINGからエックスサーバーへ移転したい人
- wpXシンレンタルサーバーからエックスサーバーへ移転したい人
- mixhostからエックスサーバーへ移転したい人
これ以外にも現在エックスサーバー以外のサーバーを使用している方で、エックスサーバーへ移転を検討している方 すべてが対象となります。
WordPress簡単移行機能について
ここではエックスサーバーWordPress簡単移行機能に関する内容・メリットなどを解説していきます。
※すでにWordPress簡単移行機能についての概要を把握している方は次の『作業全体の流れ』へお進みください。
WordPress簡単移行とは
エックスサーバー公式が無料で公開しているサーバー移行機能であり、これを使用することで簡単に他社サーバーからエックスサーバーへの移行が可能となります。
基本的にはエックスサーバー公式サイトで公開している操作手順を見ればサーバー移行作業はできます。
しかし、公式サイトでは多くの人がうまくいかなかったり・気になったりするであろう細かい点についてはあまり触れていません。
そこで 本記事では公式サイトでは触れていない細かな注意点や移行作業時にトラブルが発生した場合の対応方法についても言及していきます。
尚、エックスサーバーが公表しているWordPress簡単移行機能の使い方に関しては以下の公式サイトをご覧ください。
WordPress簡単移行を使うメリット
基本的に異なるサーバーへ移転する場合は、旧サーバーのドメインを削除してから新サーバーのドメインを作成する手順となり、移転作業時にサイトに接続できなくなる時間が発生します。
それに対してエックスサーバーのWordPress簡単移行機能は旧サーバーのドメインを削除せずともサーバー移転作業が可能で、結果的にサイト接続が途切れることなくサーバー移転ができます。
これがWordPress簡単移行機能の最大のメリットでもあり、これを使用すればサイト閲覧に影響を与えることなくサーバー移転が実施できます。
また、事前にサーバー移転用のプラグインやソフトなどを用意する必要がないこともWordPress簡単移行機能のメリットと言えます。
サーバー移転となると何かと事前準備が必要となり それだけでも結構手間がかかるわけですが、WordPress簡単移行機能を使えばそれらの手間が省け 移転作業時間の大幅短縮にもなります。
ただし、事前準備が全く不要かと言うとそうでもなく、最低限の準備は必要であり 即WordPress簡単移行機能でサーバー移転はできないと思ってください。
※WordPress簡単移行機能使用時に必要となる準備作業については後述する『事前準備作業』にて詳しく解説していきます。
WordPress簡単移行の使用条件
エックスサーバーのWordPress簡単移行機能を使用する際は以下の条件を満たしている必要があります。
【必須要件】
- WordPressのバージョンが 4.2 ~ 6.7 であること
- PHPのバージョンが7.2以上であること
【NG対象事項】
- マルチサイト機能を使用している場合
- WordPress.comからの移行である場合
- 「PHPからtar、zipコマンドのいずれも利用不可」かつ「PHPのzipモジュールが利用不可」の場合
- データベースの容量が2GBを超えている場合
次から上記項目について具体的に説明していきます。
まず【必要要件】について、求められるWordPressバージョンは特に問題ないと思われるので、ここでは深く追求はしません。
PHPバージョンについては現在使用中のサーバーにて確認・設定ができるので 念のためサーバーにてPHPバージョンを確認し、要件を満たしてなければ事前にバージョンアップをしておきましょう。
尚、この情報は2024年12月現在のもので、時間の経過と共に必要バージョン要件は変更してくるのでご注意ください。
次に【NG対象事項】についてですが、これらに該当した場合はWordPress簡単移行機能が使用できなくなります。
マルチサイト機能とは、1つのWordPressで複数のWebサイトを管理・運営することで、要するに1つのWordPress管理画面で異なるドメイン(URL)のサイトを管理するケースです。
WordPress.comとは、いわゆる無料レンタルサーバーであり、有料でサーバー契約せずとも無料でワードプレスが利用できるサービスです。
上記のマルチサイト機能の使用・WordPress.comからの移行はレアケースであり、普通にワードプレスを使用していれば該当しないので特に気にする必要はありません。
「PHP…」についての詳細は省略しますが、こちらも普通にワードプレス使用していれば まず該当することはありません。
そして、最も注意すべきNG対象事項は「データベースの容量が2GBを超えている場合」で、長期間サイトを運営し且つ画像ファイルを多く使っている場合は該当している可能性があります。
自身のサイト容量については、ワードプレス管理画面にて左側メニューの「ツール」→「サイトヘルス」を選択し、表示されたサイトヘルス画面の「情報」タブ→「ディレクトリとサイズ」をクリックすることで確認できます。
そして、上記画面で確認すべき箇所ですが、エックスサーバー公式では「データベース容量」と言っているので 下から2番目の容量を参照すれば良いということになります。
しかし、WordPress簡単移行機能では画像や追加したテーマなど ほぼ全てのデータが移行されることから 一番下の「合計インストールサイズ」を参照した方が良いと思われます。
もし、合計インストールサイズが2GBを超えるという場合は、使用していない画像ファイルを削除して容量を減らしましょう。
ちなみに上記の情報は私が管理している別サイトのものとなりますが、3年程運用し画像もかなり多めに使用していた状態でありながら全容量は2GB未満となっているので、基本的には該当しないと思われます。
作業全体の流れ
ここでは、エックスサーバーへの移行作業の一連の流れを紹介してきます。
※本項目は作業全体の概要のみの説明となるので、すぐに移行作業に取り掛かりたい方は次の『事前準備作業』へお進みください。
次から上記作業一覧の詳細を解説していきます。
事前準備作業
ここではエックスサーバーのWordPress簡単移行機能を使用するにあたって準備すべきことを解説していきます。
エックスサーバーへ移行する際に必要な事前準備内容は以下となります。
次から上記事項を個別で解説していきます。
エックスサーバーの申し込み
当然ではありますがエックスサーバーへ移行するためには、以下のエックスサーバー公式サイトにてXserverレンタルサーバーを申し込む必要があります。
Xserverレンタルサーバーのプランは「スタンダード」「プレミアム」「ビジネス」の3種類があるわけですが、一般的ににはスタンダードからはじめるのがおすすめです。
エックスサーバーは後から上位プランに変更したいという場合、今回のようなデータ移行作業は不要でWEB上の手続きのみとなるので、まずはスタンダードプランが無難と言えます。
尚、Xserverレンタルサーバーに申し込む前でも 次に紹介する『旧サーバー側での移行用設定』は可能なので、ギリギリまで申し込み日を引き延ばしたい場合は次の項目の準備作業を先に実施しても構いません。
旧サーバー側での移行用設定
エックスサーバーへ移行するにあたって 旧サーバー側で準備しておくべきことは以下となります。
次から上記事項を個別で解説していきます。
セキュリティログインの無効化
ワードプレス管理ページへのログインにセキュリティをかけていると簡単移行時にエラーとなり作業を進めることができません。
簡単移行時のエラーに該当するセキュリティとはプラグインを使用して「ログインURLを変更している」「ログインにBasic認証・ロボット認証を適用している」場合となります。
こうしたセキュリティプラグインを使用している場合は、プラグインを無効化しておいてください。
また、サイト高速化するためのセキュリティプラグインも簡単移行時のエラー対象となるため、こちらのプラグインを使用している場合も同様に無効化させることをおすすめします。
ちなみにキャッシュプラグインとして有名な「WP-Optimize」については有効化のままでも簡単移行時に影響はありませんでした。
ログインID・パスワードの確認
これはワードプレス管理画面へログインするためのログインID(メールアドレス)・パスワードとなります。
普段から管理画面へログインしていれば当然分かっていることなんですが、普段からブラウザのオートコンプリートでログインしている場合は意外と忘れがちだったりします。
特に管理ページログインURLを変更している場合は、デフォルトURLに戻したあとに必ずログインできるかを試してください。
移行できないデータのバックアップ
WordPress簡単移行機能は基本的に全データ移行できますが、一部 移行できないデータも存在します。
このため、移行できないデータは事前にバックアップが必要で、私自身がサーバ移行を実施して移行できなかったデータは以下となります。
次から上記の移行できないデータについて解説していきます。
【.htaccess】
まず .htaccess(ドットエイチティアクセス)とは、Apache(アパッチ)呼ばれるWEBサーバーの基本的な動きを制御するためのファイルとなります。
具体的な使用例として、プラグイン「EWWW Image Optimizer」を使用して画像をWebPへ変換する際に.htaccessファイルを編集(上書き)します。
そして、エックスサーバーへ移行すると これらの上書きした.htaccessファイルはデフォルトの状態に戻ってしまいます。
このため、 .htaccessファイルを上書きしている場合は事前にテキストファイルをバックアップしておく必要があります。
尚、.htaccessファイルのテキスト内容の確認・バックアップ方法についてはサーバーごとに手順が異なるので、ご自身が利用されている現在のサーバー側にて確認お願いします。
※スターサーバーの.htaccessファイルのバックアップについては別記事[サーバー移行・移設 手順 -準備編- 【スターサーバー】]内の『.htaccess』にて詳しく解説しています。
【ads.txt】
まず ads.txt(アズテキスト)はなりすましサイト対策として使用するテキストファイルです。
代表的なものとしてGoogleAdSense設定で、GoogleAdSenseを使用している場合はads.txtファイルにGoogleから提供されたテキスト文を入力しているかと思われます。
そして、エックスサーバーへ移行すると このads.txtの内容はコピーされません。
このため、 ads.txtを入力している場合は事前にバックアップする必要があります。
ads.txtの保存場所についてはサーバーの設定でできるところもあれば、サーバー自体では設定できずワードプレステーマ内で設定する必要があったりと 各人の環境によって異なります。
GoogleAdSenseを使用している場合は 必ずads.txtを編集しているはずなので 調べておいてください。
※SWELLテーマでのads.txt保存場所については別記事[サーバー移行・移設 手順 -準備編- 【スターサーバー】]内の『ads.txt』にて詳しく解説しています。
サーバー移行作業
ここではエックスサーバーのWordPress簡単移行機能を用いた、他社サーバーからエックスサーバーへの移転方法を詳しく解説していきます。
まず、サーバー移行作業の一覧は以下となります。
基本的に上記一覧の表示順に作業する必要があり、各作業の詳細内容については次から個別で解説していきます。
ドメイン追加
ここからは いよいよ本格的なサーバー移転作業となるわけですが、序盤はしばらくエックスサーバー側での作業となり、旧サーバーでは特別作業する必要はありません。
エックスサーバー側でのドメイン追加手順は以下となります。
XServerアカウントへログインし、レンタルサーバー トップページの「サーバー管理」をクリックします。
※複数のサーバーを申し込んでいる場合はドメインを追加したいサーバーの列を選択してください。
サーバーパネルが表示されたら「ドメイン設定」をクリックします。
尚、上の画像は旧デザインのサーバーパネルであり、新デザインのサーバーパネルが表示されている場合は「旧デザインに切り替え」をクリックして 旧デザインにしてください。
※新デザインのままでもドメイン追加は可能ですが、私自身は旧デザインで設定作業を実施したため今回は旧デザインでの設定方法を紹介していきます。
ドメイン設定画面が表示されたら「ドメイン設定追加」のタブをクリックし、ドメイン設定追加の入力画面を表示させます。
「ドメイン設定追加」の画面でサーバー移行したいドメイン名(サイトURL)を入力し、「確認画面を進む」をクリックします。
メモ欄の入力については任意で 入力すると以下の画像のように後のドメイン一覧画面上にて入力したメモが表示されます。
※メモ内容については後から追記・修正・削除も可能です。
また、チェックボックスがある「無料独自SSL…」「高速化・アクセス数拡張機能…」についてはチェックが付いたままの状態で構いません。
表示されたドメイン名に問題がないかを確認し、表示された内容に問題がなければ「追加する」をクリックします。
「追加する」をクリックすると入力・設定内容が表示されるので「戻る」をクリックします。
入力・設定内容が表示された画面内に「無料独自SSLの設定に失敗しました」というエラー表示が出ます。
このエラー表示は時間経過にて解消されるので、この段階では無視して構いません。
ドメイン追加設定が完了すると ドメイン設定一覧画面に追加したドメインが表示されます。
戻るをクリックすると、ドメイン設定一覧画面に追加したドメインが表示されます。
この際にドメイン名の横に「反映待ち」「NS相違」と表示されますが、これは時間経過及び後の作業にて消えるので特別気にする必要はありません。
WordPress簡単移行機能での移転
ここではエックスサーバーの「WordPress簡単移行機能」を用いて旧サーバーのデータを新サーバー(エックスサーバー)へコピーします。
そして、「WordPress簡単移行機能」を用いたデータコピー方法は以下となります。
XServerアカウントへログインし、サーバーパネルにて①画面上部の対象ドメインを確認し、②「WordPress簡単移行」をクリックします。
※上記のサーバーパネル画面の表示方法が分からない場合は前述の『ドメイン追加』の手順をご参照ください。
もし、画面上部の対象ドメインが移転させたいドメインでなかった場合は、画面左下の設定対象ドメインの項目で 移転させたいドメインを選んで「設定する」をクリックします。
WordPress簡単移行画面が表示されたら「WordPress移行情報入力」のタブが選択されていることを確認します。
WordPress移行情報入力画面にて①httpからhttpsに変更し ②サイトURL(ドメイン名)・ユーザー名・パスワードを入力します。
ここで入力するユーザー名・パスワードはワードプレス管理画面へログインするための情報となります。
各種変更・入力が完了したら「確認画面へ進む」をクリックします。
入力情報が異なるとエラーとなる
ワードプレス管理画面のログインユーザー名・パスワードが異なっていた場合は以下の画面のようにエラーが表示されます。
これ以外にも、旧サーバーでセキュリティプラグインを使用してログインURLを変更している場合も上記エラーの対象となるので、その場合はプラグインを無効化してください。
移行情報の入力が無事完了し入力結果が表示されたら「移行を開始する」をクリックします。
「移行を開始する」をクリックするとデータ移行作業に入り 移行ステータスが表示されます。
移行完了に要する時間ははサイトの容量によっても変わってきますが、長い時で「待機中」の状態が5,6分程 もしくはそれ以上 かかることがあります。
「待機中」の状態が終わると「データ移行中」に変わり、完了するまで3分前後の時間を有します。
そして、データ移行が完了し「データ移行完了(100%)」と表示されたら「確認」をクリックします。
尚、「移行を開始する」をクリックしてからは 移行ステータスを表示し続ける必要はなく ブラウザ自体閉じてしまっても構いません。
データ移行中にブラウザを閉じた場合は、再びエックスサーバーへログインし 同じ画面を開けば作業に続きができます。
データ移行が完了し「確認」をクリックすると、移行済みWordPress一覧タブが表示され ステータスが完了と表示されます。
ここで、データ移行が完全に完了したことを確認するために、サーバーパネルに戻り「ドメイン設定」をクリックします。
表示されたドメイン設定一覧の箇所に「反映待ち」の表示がないことを確認します。
※現段階で「NS相違」が表示されていることは問題ありません。
上記作業完了後 すぐに「反映待ち」が消えないこともあるので、その場合はしばらく時間をあけて(30分~1時間程)「反映待ち」消えるのを待ちます。
尚、上記画面を表示したままでは「反映待ち」が消えることはありませんので、消えてなければ次の作業に進み、しばらくしてから表示が消えているか確認してください。
旧サーバーへのマーキング
ここで紹介する作業は必須ではありませんが、作業の手間も少なく実施しておくと後々便利になるので実施することをおすすめします。
まず、前項の『WordPress簡単移行機能での移転』が完了すると旧サーバー(移転元)とエックスサーバー(新サーバー)に同じWordPressが存在する状態となります。
現段階では、ネームサーバーを変更していないため ワードプレスに接続すると旧サーバー(移転元)に繋がります。
この旧サーバーに接続できる状態を活かして旧サーバーへのマーキングとして、以下の画像のように 旧サーバーと認識できる記事を作成します。
ここで作成する記事はタイトル名のみの下書きの状態で構いません。
こうすることで、今後 ワードプレス管理画面に接続した際にサーバーが新か旧か一目瞭然となります。
冒頭にも言いましたが、この作業は必須ではありませんが やるとやらないでは利便性が大きく変わってくるので 実施することをおすすめします。
hostsファイルの追記
ここではネームサーバーを変更せずに、エックスサーバー(新サーバー)へ接続させるための準備作業を解説します。
現段階ではネームサーバーを変えていないため ワードプレスに接続を試みると旧サーバー側に繋がってしまいます。
ネームサーバーを変更すればエックスサーバーへ接続できるわけですが、ネームサーバーを変更してしまうと自分以外の人もエックスサーバー側のサイトに接続できてしまいます。
こうなってしまうと、万が一 エックスサーバー側のサイトで異常があった場合に サイト表示がおかしいままインターネット上に公開される形となります。
そうならないためにも、事前に自分だけエックスサーバー側のサイトに接続する必要があり、hostsファイルを変更することで それが実現可能となります。
そして、hostsファイルを変更(追記)する方法は以下となります。
まずは、自身のエックスサーバーIPアドレスを知る必要があるので、XServerアカウントへログインし サーバーパネルにて「サーバー情報」をクリックします。
※上記のサーバーパネル画面の表示方法が分からない場合は前述の『ドメイン追加』の手順をご参照ください。
展開したサーバー情報画面のIPアドレス欄に記載されているIPアドレスを控えます。
IPアドレスを控えたらエックスサーバーの画面は閉じて構いません。
サーバーIPアドレスを控えたら、次はPC上でhostsファイルを展開させます。
※hostsファイルの展開方法は使用しているPCのOSによって異なるわけですが、本記事ではWindow11でのやり方を紹介していきます。
Windows11のhostsファイルの展開方法については、まず[ファイル名を指定して実行]を開き「C:\Windows\System32\drivers\etc」を入力します。
次に、展開したetcフォルダ内のhostsファイルをメモ帳で開きます。
メモ帳として開くためには「管理者として実行」が必要となり、展開できないという場合は お手数ですが各自使用しているOSに合った方法を調べてください。
また、hostsファイル自体が見つからないという場合も同様に お手数ですが調べてください。
そして、hostsファイルをメモ帳で開くと以下のようなテキストが表示されます。
hostsファイルのテキストを展開できたら、テキストファイルの一番下のところに以下の情報を入力します。
サーバーIPアドレスは手順1で控えたご自身のエックスサーバーのIPアドレスとなります。
また、サーバーIPアドレスとドメイン名の間は必ず半角スペースを開けてください。
hostsファイルへの追記が完了したらテキストを保存し ファイルを閉じて作業完了となります。
サイト確認・編集
前述した『hostsファイルの追記』によって、自分だけエックスサーバー側のサイトへ接続できるようになります。
この状態を活かして、事前にエックスサーバー側のサイトの確認及び編集を実施していきます。
尚、ここでの作業を実施するにあたって、エックスサーバーのドメイン設定一覧画面にて「反映待ち」の表示が消えている必要があります。
もし、上記画面のようにまだ「反映待ち」の表示が残っている場合は、しばらく時間をあけて再度ドメイン設定一覧画面を確認します。
そして、「反映待ち」が消えたら以下の作業を実施していきます。
次から上記事項を個別で解説していきます。
エックスサーバー側サイトへの接続
前述した『hostsファイルの追記』が完了すると、エックスサーバー側のワードプレスへ接続できるようになるので、以下のデフォルト管理URLへ接続します。
https://〇〇〇/wp-admin
普段から「URLを変更した管理ページ」をブックマークしている方は、上記のデフォルト管理URLを直接入力して接続してください。
ワードプレス管理画面に接続できたら、接続先がエックスサーバー側であることを確認するために「投稿一覧」を開きます。
投稿一覧に 旧サーバー側で実施した『旧サーバーへのマーキング』記事が存在しなければ、無事エックスサーバー側に接続できたことになります。
hostsファイルを正しく追記したにも関わらず旧サーバーに繋がってしまう…という場合はブラウザキャッシュが残っている可能性があるので、「F5キー」でキャッシュクリアし 再度試してみてください。
エックスサーバー側に接続しようとすると以下の画像のように「無効なURLです。」と表示されることがあります。
この場合は前述した『WordPress簡単移行機能での移転』の処理が完全に完了していないケースが該当し、時間経過で解消されます。
長くても30分~1時間程待てば 正常に接続できるはずなので、接続できない場合は少し時間をおいてから再度接続を試してみましょう。
また、この接続できない現象はあくまで自分自身だけに起きていることなので、繋がらないからといって焦る必要はありません。
セキュリティプラグインの有効化
旧サーバーのワードプレスでログインURLを変更するなどのセキュリティプラグインを使用していた場合は、プラグインを有効化してください。
特にログイン関係のプラグインを使用していた場合は、プラグイン有効化によりログインURLが変わるので ご注意ください。
簡単移行で反映されないデータの編集
これは旧サーバーから移行(コピー)できなかったデータを追加・編集する作業となります。
旧サーバーから移行できないデータについては主に 前述した『移行できないデータのバックアップ』で紹介したものが該当します。
元々 移行できないデータを旧サーバーで使用していなければ ここでの作業は飛ばしてもらって構いませんが、もしも「.htaccess」「ads.txt」を使用していた場合は この段階でデータ編集してください。
ちなみに.htaccessファイルについてはエックスサーバーの管理ページにて編集が可能で、以下のサーバーパネル画面の「.htaccess編集」をクリックします。
.htaccess編集画面が開いたら「.htaccess編集」タブを選択し、表示されたテキストの上書き・追記をします。
尚、上記の.htaccessテキストは初期段階ではデフォルトのテキスト内容となっています。
このため .htaccess編集の心配があれば、 .htaccess編集前にデフォルト状態のテキストファイルを保存しておくことをおすすめします。
サイト全般の確認
ここまでのエックスサーバーでのサイト編集作業が完了したら、サイトが正常に表示されているかを確認します。
サイト確認はトップページをはじめ各記事に異常がないかを確認するわけですが、
ただ、全ての記事を確認していては多大な時間がかかってしまうので、サイトの主要記事の1つか2つぐらいを確認する程度で構いません。
hostsファイル 追記内容の削除
サイトが正常に表示されていることを確認したら、最後に追記したhostsファイルの内容を削除していきます。
hostsファイルの編集方法については前述した『hostsファイルの追記』を参照し、追記した部分だけ削除してください。
ただ、直近で編集・追記・新規投稿したいという記事がある場合は、しばらくはhostsファイルをそのままの状態にしていて構いません。
というのも、hostsファイルの追記内容を削除して 次の作業の『ネームサーバーの変更』を実施すると しばらくの間は旧サーバーに繋がってしまう可能性があるからです。
このため、この段階ですぐにhostsファイルの追記内容を削除することは必須ではありませんが、いずれは削除しなくてはいけないということをお忘れなく。
ネームサーバーの変更
エックスサーバー側のサイト確認・編集が完了したら、ネームサーバーの変更(切り替え)をしていきます。
ネームサーバー変更については、契約しているドメイン管理会社(お名前ドットコム・ムームードメイン・Xserverドメインなど)により設定方法が変わってきます。
ここではドメインを『Xserverドメインで管理している場合』と『他社ドメイン会社で管理している場合』それぞれのネームサーバー変更方法を紹介していきます。
Xserverドメインで管理している場合
ここで紹介するネームサーバー変更方法はXserverドメインにてドメインを管理しているケースとなり、作業手順は以下となります。
XServerアカウントへログインし、トップページ右上の「サービス管理」タブを選択し「XServer Dmain」をクリックします。
ドメイン一覧画面で、ネームサーバーを変更したいドメイン(移行作業を実施したドメイン)を選択します。
WordPress簡単移行画面が表示されたら「WordPress移行情報入力」のタブが選択されていることを確認します。
契約情報画面が開いたらスクロールして下部に進み、ネームサーバー設定の「設定変更」をクリックします。
ネームサーバー設定画面に「Xserverレンタルサーバー」を選択し、「確認画面へ進む」をクリックします。
「設定を変更する」をクリックします。
※上記画面上に表示されているネームサーバー1~5が新たに設定されるネームサーバーとなります。
その後、「ネームサーバー設定が完了しました。」というタブが表示されるので「OK」をクリックします。
以上がXserverドメインを使用している場合のネームサーバー変更方法となります。
他社ドメインで管理している場合
ここで紹介するネームサーバー変更方法はXserver以外のドメイン会社(お名前ドットコム・ムームードメイン・Value Domainなど)にてドメインを管理しているケースとなります。
ご自身が使用しているドメイン管理会社に接続し、以下のネームサーバーに変更します。
ns1.xserver.jp
ns2.xserver.jp
ns3.xserver.jp
ns4.xserver.jp
ns5.xserver.jp
※ネームサーバー変更方法の詳細部分については使用しているドメイン管理会社によって異なるため省略します。
ネームサーバーを入力する際はns1から順にns2 , ns3…という具合に数字が若い順にネームサーバーを設定していきます。
ネームーサーバー変更で知っておくべきこと
ここではネームサーバー変更に関して知っておくべきことを紹介していきます。
ネームサーバーを変更してから インターネット全体に反映されるまでにかかる時間は最大72時間であり、その間は新旧どちらのサーバーに接続するかが不安定な状態となります。
このため、新サーバーに繋がる人もいれば旧サーバーに繋がる人もいて、同じ人でも新サーバーに繋がったり旧サーバーに繋がったりという現象が発生します。
このことからサーバー移転から72時間以内にエックスサーバー側で新記事を投稿した場合は、人によっては新記事が表示されないということもあります。
いずれは皆 新サーバーに繋がるようになるので特別警戒することはありませんが、SNSなどで新記事アップロードの紹介する場合は72時間待った方が無難と言えます。
サーバー移転後の作業
ここではエックスサーバーへの移行が完了した後にすべき作業を紹介していきます。
旧サーバーのドメイン削除
ここまでの全ての作業が完了し、エックスサーバー上で稼働しているサイトに問題がなければ旧サーバー側のドメインを削除していきます。
旧サーバー側のドメイン削除方法については、使用しているサーバーによって方法が異なるため、各自使用しているサーバーに応じたドメイン削除手順を実施してください。
尚、旧サーバー側のドメイン削除は急いで実施する必要なく、むしろ72時間(3日間)は消さずに残してください。
これについては前述した『ネームサーバー変更で知っておくべきこと』でも説明しましたが、ネームサーバーを変更してからインターネット全体に反映されるまでに最大72時間を要するからです。
更に旧サーバー側のドメインは 新サーバー(エックスサーバー)でなにかあった際の確認・バックアップ用としても利用できるので 少しの間 残しておくことをおすすめします。
旧サーバー側のドメインを長期間放置していると、旧サーバー側から以下のような「SSLサーバー証明書 更新未完了のお知らせ」が来ることがあります。
通知内容からしてSSL設定に該当する事象であるため、旧サーバー側のSSL設定を無効化しておければ上記のエラー通知もこなくなると思われます。
仮にこうした通知が届いたとしても旧サーバー側の問題であって、新サーバー(エックスサーバー)側には特に問題はないので、そのまま旧サーバー側のドメインを残していても問題ありません。
ただ、どのみち旧サーバー側のドメインは不要になるわけで、ドメインを残したままにすると 微弱ながらもSEOなどに影響が出る可能性もあります。
このことから、無意味に旧サーバー側のドメインを残すことは避けた方が良いと言えます。
旧サーバーの解約
旧サーバーのドメインを削除したら、最後に旧サーバーの解約をします。
サーバーの解約方法については、使用している各サーバーによって異なるので 各自 使用中のサーバーにて解約手続きを実施してください。
この旧サーバーの解約は当たり前と言えば当たり前の作業でもあるので、ここでわざわざ紹介するまでのことでもありません。
しかしながら、意外とエックスサーバーへの移転完了で安心しきって解約を忘れていて旧サーバーが自動更新されていた…ということも十分あり得ます。
くれぐれも旧サーバーの解約をお忘れなく。
最後に
今回はWordPress簡単移行機能を使って 他社サーバーからエックスサーバーへワードプレス(ブログ)を移行させる方法を紹介してきました。
サーバー移行作業はワードプレス・ブログ管理者にとって非常に重大な事項とも言え、失敗は許されません。
そうした重要な作業もWordPress簡単移行を使えば 失敗することなくサーバー移行できるわけですが、それでも不安を完全に拭えたわけではありません。
そうした僅かな不安を払拭させ、よりスムーズにサーバー移設ができるよう本記事を書いた次第であります。
本記事が一人でも多くのワードプレス・ブログ運営者のお役に立てれば幸いです。
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