今回は2022年12月16日に出前館から発表された報酬単価の改定(距離報酬改定)及びブースト率の改定について 具体的により分かりやすく解説していきます。
改定概要
出前館は2023年3月1日(水)から距離報酬とブースト率の改定をすることを発表しました。
今回発表された改定に関して出前館からは以下のコメントが発表されています。
改定距離報酬につきましては、全国一律、現在の1km刻みからより細やかに500m刻みによる算出とします。また、新ブースト率につきましては、どのオファーを受諾いただいても配達の労力と報酬のバランスが良いと配達員の皆様に感じていただくことを目的として導入するものです。
上記発表コメントの改定距離報酬について、具体的な改定内容については次の「改定の詳細内容」にて解説していきますが、これまで1km刻みで算出されていた報酬が改定後からは0.5km(500m)刻みで算出されるようになります。
極端な例として、これまでは2.0kmと2.9kmのオファーは約1km距離が違うにも関わらず 同じ報酬単価で少々理不尽に感じることもありましたが、改定後は同じ報酬単価で最大の距離差も0.5km(500m)と縮小されるので公平感は増すのではないかと思われます。
新ブースト率については 今回の改定発表コメントでは新たなブーストが導入されるような文面にも見えますが、すでに全国で適用済みの新ブーストのことを示しているだけなので、今回改定で何か新しいサービスが追加されるというわけではありません。
ブースト改定の具体的な内容については「ブーストの改定」にて解説しますが、新サービスどころか寧ろ廃止されるサービスがあるわけで、一見すると良い方向に改善されるような発表コメントには違和感を感じざる得ません。
改定の詳細内容
ここでは今回出前館から発表された改定に関する詳細内容を解説していきます。
改定については「距離報酬」と「ブースト」の2項目あり、各項目ごとに紹介していきます。
距離報酬の改定
距離報酬の具体的な変更内容を説明する前に、出前館の報酬算出の仕組みについておさらいしていきます。
出前館はエリア毎に基本報酬額が決まっており、現在の基本報酬は以下となります。
対象エリア | 基本報酬額 |
---|---|
東京・神奈川・千葉・埼玉 | 600円 |
東京・神奈川・千葉・埼玉 以外のエリア | 550円 |
そして、2023年3月1日(水)からの報酬改定で対象となるのは距離報酬となり、基本報酬は変更ありません。
では2023年3月1日から具体的に報酬がどう変わるかについて、より違いを分かりやすくするために改定前(現報酬)・改定後(新報酬)の基本報酬と距離報酬を合算したものを以下の表にしました。
1都3県(東京・神奈川・千葉・埼玉)は「0.5km~1.0km未満」と「1.5km~2.0km未満」が報酬増となり、それ以外は今と同じかそれ以下となります。
一方、1都3県以外のエリアは「0.5km~1.0km未満」「1.5km~2.0km未満」「2.5km~3.0km未満」「4.0km以上」で報酬増となり、それ以外は今と同じかそれ以下となります。
全体的に見れば改定後からは報酬減の傾向とはなりますが、極端に報酬が下がったというわけではなく 改定前とさほど変化がないようにも思われます。
1都3県以外のエリアについては報酬上限額も上昇しており 長距離配達(4km以上)が多いエリアの配達員には今回の距離報酬改定は朗報になるかと。
ブーストの改定
ブースト率の具体的な変更内容を説明する前に、出前館のブーストの仕組みについておさらいしていきます。
まず、現状(改定前)のブースト率は「エリアブースト(時間帯ブースト)」と「新ブースト」の合算で構成されています。
エリアブースト(時間帯ブースト)とは各市区町村・各時間帯ごとに事前に決められたものであり、ブースト倍率・発生する時間帯はエリアごとに異なります。
新ブーストとは注文数と配達員数の需要バランスに応じてブースト倍率がアップするもので、詳細内容については以下の記事にて解説しているので そちらをご参照ください。
そして、今回の発表で 改定後にエリアブースト(時間帯ブースト)が廃止されることになりました。
エリアブーストが廃止された場合の具体例として、改定前後ではエリアブースト倍率が以下の画像のように変わってきます。
上の画像の改定前は今回の改定が発表された直後の週末のブースト状況となるわけですが、報酬バブルと呼ばれた時期と比べればブースト倍率も下がってはいるものの それなりに高い倍率をキープしています。
このように現状でもそれなりに高いブースト倍率が適用してるエリア・時間帯も 2023年3月以降は一切エリアブーストが無くなってしまいます。
このブースト改定については稼働エリアによっては かなりの痛手になることが予想され、逆に現状でもエリアブーストが付いていない・ブーストがある時間帯は稼働していないという方には さほど影響がないかと。
そして、エリアブーストが廃止しされる一方で、2022年10月から適用された新ブーストは残るので改定後に極端に報酬が下がるとは限らず それなりの高額報酬オファーが来るのではないでしょうか。
しかし、新ブーストが残っているとは言え 新ブーストは実数が読めないブラックボックス化したシステムでもあり、出前館運営のさじ加減でいくらでも調整することができるので「改定前までは新ブーストがよく付いていたが改定後からは全然付かなくなった」ということにも成りかねません。
個人的には新ブーストが始まってからはエリアブーストが付いているところは敢えて避けて 新ブースト付与狙いで稼働していたので、直接的にはエリアブースト廃止は影響ありません。
ただ、エリアブーストがあったエリアから自分の配達エリアに配達員が流れてくる可能性を考慮すると間接的には影響がでる可能性もあり、結局のところブースト改定はどの配達員にとっても改悪となるのかもしれません。
改定後の出前館について
今回発表された距離報酬・ブースト改定については結果的に全体の報酬減となるわけですが、寧ろこれまでの出前館の報酬が高すぎただけであって 改定後であってもフードデリバリー他社と比べれば依然高い報酬であるとも言えます。
また、昨今では各フードデリバリーの配達報酬は減少傾向であり それについては出前館も例外ではなく 今後も改定による更なる報酬減は定期的に実施されることが予想されます。
ただ、配達員が出前館で配達する最大のメリットはその高額な配達報酬であり、厳しい言い方をすると高額報酬だから出前館で配達をしているという人が圧倒的に多く 報酬が他社と同額になったら離脱する配達員もかなり多いのではないでしょうか。
このまま報酬減が続き他社と同等の報酬になったとしたら、出前館に残る業務委託配達員は何か訳があって出前館でしか稼働できない人だけの集まりになるような予感もします。
そうなれば配達サービスの質の低下も懸念され、顧客へのサービス満足度も低下し悪循環に陥る事も否めません。
そうなってしまわないためにも、今まで以上には配達員の声に耳を傾け 配達員がよりストレスフリーに配達できるような環境作りにも早急に取り組んでもらいたいものです。
個人的には早スワイプが現状最大のネックであり、これのせいで迂闊に移動はできないし、画面凝視に神経をとがらせているせいか他社の配達よりも無駄に疲労度が高い気もするので、一刻も早く早スワイプを廃止して欲しいかと。
最後に
今回は距離報酬改定・ブースト改定に関する内容を解説してきました。
今後も出前館からは定期的に配達に関する仕様変更の発表もありそうで、それらが発表される度に当サイトでもより分かりやすい記事を心掛け お伝えしていこうと思いますので、定期的に当サイトをチェックして頂けると幸いです。
そして、本記事で出前館配達に興味を持ち、自分も出前館で配達を始めてみようと思った方は以下のマッハバイト経由で登録することでキャッシュバックが発生し、直接出前館から登録するよりもお得になります。
上記のマッハバイト経由で出前館配達員を検索する場合はトップページの「職種から探す」を選択し、[飲食・フード]→[デリバリー・ケータリング]を選んだ後に、ご自分のお住いの地域を選択して出前館の配達員募集を探してみてください。
もしお住いの地域に出前館募集が無かった場合は最寄りの地域・エリアからの登録でも問題ありませんので、より得するためにもマッハバイト経由での登録を推奨します。
それでは良い配達ライフを。
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