今回は2025年11月1日から出前館のお店価格(店頭価格)提供サービスの対象エリアが拡大した件について紹介していきます。
お店価格の新情報から、お店価格が注文者・配達員にもたらす影響・メリットなどを解説していきます。
出前館 お店価格の基本情報&新情報
ここでは、出前館が実施しているお店価格提供サービスの基本情報から、今回新たに発表されたお店価格の新情報について解説していきます。
今回 出前館から発表されたお店価格(店頭価格)で提供するエリアを拡大した件について解説していきます。
お店価格とは
お店価格とは、実店舗と同じ価格でデリバリー注文できるサービスです。

出前館では2025年9月1日から11月30日の期間限定で、5都市の約250店舗がお店価格の対象となりました。

ちなみに、お店価格提供を導入した理由はフードデリバリー需要の拡充であり、フードデリバリー離れの防止及び新規利用客を増やすための試みとなります。
また、これは私の憶測となりますが、つい最近日本で展開し始めたロケットナウも出前館よりも前から同様のサービスをしており それに対抗するために(シェアを奪うために)実施したと見えます。
お店価格 対象エリア拡大
前述したように出前館は2025年9月1日から5都市でお店価格提供を開始しましたが、2025年11月1日より対象エリアが拡充されました。
新たにお店価格提供の対象となるのは東京都の港区・新宿区・渋谷区の3区で、サービス期間は2025年11月1日から2026年1月31日となります。

東京都内3区でのお店価格の対象店舗は以下となり、その数 約760店舗となります。

普段から港区・新宿区・渋谷区で配達している人なら行ったことがある店舗ばかりとも言えるラインナップです。
尚、上記店舗は対象エリア内であっても お店価格提供をおこなっていない店舗もあるとのことなので(例:〇〇〇四谷店はお店価格対象外など)注文する際はお店価格に対応していることの確認をお忘れなく。
今後も定期的に実施される?
2025年9月から始まった出前館のお店価格提供ですが、先行実施された5都市及び今回発表された東京都内3区のいずれも期間限定のトライアルとなります。
気になるのは「トライアル」の意味で、これが今後も同エリアでお店価格が実施されるという意味合いなのか、他のエリアでも試験的にお店価格を実施する意味合いなのかです。
個人的にはどちらかというよりは両方の意味合いがあると思っており、まずは近いうちに今回開催されていない大都市エリアでもお店価格提供が実施されるのではないでしょうか。
そして、その後 過去に実施されたエリアにて再び お店価格提供が実施されるのではないでしょうか。
ただし、お店価格提供は出前館で過去に開催されていた「ウルトラ半額祭」のような一時的なキャンペーンにすぎません。
未来永劫 お店価格が続くということはあり得ないわけですが、お得なキャンペーンであることには違いないので、自身のエリアで開催されたらラッキー!ぐらいな気持ちでいましょう。
今 注文するなら出前館が良い?
お店価格提供の対象となるエリア・店舗は限定されていますが、対象エリアに住んでいるのであれば出前館を利用するのは大いにありです。
今回紹介した東京都内3区(港区・新宿区・渋谷区)については以下の店舗が対応しています。

さらに、2025年11月1日(土)から11月30日(日)に限り、LYPプレミアム会員であれば送料も無料になります。

LYPプレミアム会員はウェブ版が月額508円、アプリ版(iOS/Android)が月額650円となり、複数回注文すれば元が取れる金額となります。
送料無料対象期間は1カ月間と短いものの、お店価格と組み合わせれば普段のフードデリバリーよりかなり安くなるので これを機に出前館で注文してみるのもありかと。
1点注意して欲しいのは、送料無料目的でLYPプレミアム会員に入会した場合で、LYPプレミアム会員は自動更新されてしまうので2025年11月30日の23時59分までに必ず解約するのをお忘れなく。
配達員にとってのお店価格の恩恵とは
ここでは出前館 お店価格が配達員のもたらす影響、配達員として お店価格を有効的に活用する方法などについて紹介していきます。
お店価格は配達員にもメリットあり
「お店価格で出前館」のメリットがあるのは注文者だけでなく配達員にもあります。
今回 お店価格が実施される港区・新宿区・渋谷区では注文増(需要アップ)が見込まれ、場合によっては配達員が足りなくなり、それによって配達員の報酬が増える可能性もあります。
現に出前館 公式サイトでも以下のようにオファー増加&報酬アップの告知がされています。

ピークタイムには報酬単価1,000円超えのオファーもあったとのことで、昨今のフードデリバリー報酬を考慮すると高単価とも言えます。
ただ、あくまで「期待」であり 確実にオファー増加&報酬アップとなるわけではありません。
それに報酬単価が1,000円を超えたとして 出前館はピックアップまでの距離は報酬に反映されませんし、ドロップ距離が異様に長く 僻地に飛ばされるかもしれません。
そもそも、こうした謳い文句に誘われて配達員が増えてしまえば、オファー増加&報酬アップどころか逆にオファー減&報酬ダウンなんてこともあり得ます。
実際どうなるかは日や時間帯によっても異なるので何とも言えませんが、対象エリア近辺で稼働している人なら寄ってみるのありかと。
おすすめの稼働エリアとは
今回発表された「お店価格で出前館」の対象エリアは東京都 港区・新宿区・渋谷区 となるので、配達員として稼働するなら 注文数が増えるであろう以下の画像の緑色で塗りつぶしたエリアがおすすめとなります。

ただ、前の項目でも話したように上記エリアに配達員が集まって、オファー増加&報酬アップどころか逆にオファー減&報酬ダウンなんてこともあり得るので一概におすすめとは言えます。
また、港区・新宿区・渋谷区は入館が面倒くさいタワマンが多数存在し(特に港区)、これらタワマンは出前館配達とは相性が最悪なため 報酬単価が良かったとしても行くのは避けるべきです。
こうしたことを考慮すると、お店価格対象エリアだからといって効率的に稼げる保証はないということになります。
個人的におすすめなのが以下の画像の水色で塗りつぶしたエリア(中野区・豊島区・文京区・千代田区)です。

上記の水色エリアの店舗はお店価格には対応していませんが、他の配達員が対象エリアに集まった場合はこれらのエリアの配達員が少なくなり 2次的に注文数&配達報酬が増える可能性があります。
それに上記水色エリアは 全体的にピックアップもしやすい場所が多く、ドロップ先はタワマンも少なく(文京区・千代田区には厄介なタワマンあり)比較的配達しやすい環境となっています。
それに出前館であれば隣の区から呼ばれることもざらにあるので、あまり港区・新宿区・渋谷区に近い場所で自身が配達慣れしているエリアで稼働するのが一番良いかもしれません。
お店価格の懸念点
お店価格の最大の懸念点は出前館の赤字拡大で、普通に考えてお店価格で提供していては出前館側は赤字が増える一方です。
お店価格での出前館と対象店舗の契約内容については不明ですが、仮に店舗側が商品代金の一部を補填していると考えても出前館の利益はゼロもしくはマイナスのはずです。
そうしたことから、お店価格での提供というのは自社の身を削りながらのサービスであり、未来永劫続けることは不可能と言えます。
「お店価格で出前館」の目的は出前館の注文増&フードデリバリー市場規模の拡大となっており、将来を見据えた戦略とも言えます。
ただ、前述したようにお店価格は基本赤字であり それをずっと続けるのは不可能です。
お店価格提供を実施している間は顧客(注文者)が増え出前館の注文増&フードデリバリー市場も活気づくかもしれませんが、それが終われば顧客もお店価格提供がない時の状況に戻るのではないでしょうか。
そう考えるとお店価格は一時的に売り上げを増やすための一時しのぎに過ぎず、最終益(決算業績)で考えると実施していない方がマシかと。
赤字が増えて一番困るのは出前館なわけですが、赤字がかさんだ結果 フードデリバリーサービス終了となれば顧客・店舗・配達員も困ることになります。
昨今の日本のフードデリバリー業界においてはお店価格(店頭価格)での提供が流行っており 当たり前なサービスにすら感じるようになっています。
しかし、各社が身を削って行っていることを考えると、これがフードデリバリー撤退のきっかけを作っている気もして、数年後には何社かサービス終了しているのではないかという不安があります。
多少値段が高くても 顧客に「またフードデリバリーを利用したい」と思わせるようなサービスを提供することが、今のフードデリバリー業界に必要なのではないでしょうか。



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