今回は2023年8月1日から実施される出前館の報酬改定について、「どう報酬が変わるのか」「報酬が変わることにより配達員にはどう影響するのか」などを具体的により分かりやすく解説していきます。
報酬改定の詳細内容
ここでは今回発表された報酬改定内容について各項目ごとに詳しく解説していきます。
改定日
今回出前館から発表された新報酬体系は2023年8月1日(火)から適用されます。
2023年7月31日(月)まではこれまでの報酬体系となりますので、いますぐに適用されるというわけではないのでご注意ください。
距離報酬をブーストへ結合
改定前(現行)及び改定後の報酬体系は以下となります。
新基本報酬については後述しますが、注目すべきは距離報酬が廃止され、配達距離は新ブースト倍率に適用される点です。
そして、新ブースト倍率は配達距離・時間・注文数と配達員数のバランス・加盟店状況等を総合的に判断して算出されます。
具体的なブースト倍率の算出方法は非公開となっているため、今回の報酬改定によりUberEatsの報酬体系に近づいてきたとも言えます。
基本報酬額の改定
改定前(現行)及び改定後の基本報酬額は以下となります。
これだけ見ると大幅な報酬減と見えますが、この新基本報酬に新ブースト倍率が加味されることをお忘れなく。
とは言え、すべての案件に新ブースト倍率が適用される保証はなく、案件によっては基本報酬のみの400円ということもあり得ます。
報酬改定のまとめ
ここまで取り上げてきた『距離報酬をブーストへ結合』『基本報酬額の改定』の両方を考慮し、改めて現在の報酬と改定後の報酬を比較していきます。
一見すると新報酬変更後は報酬が大幅減するようにも思えますが、お届け先の距離が新ブースト倍率に含まれるので距離によってはそこまで極端に下がらないかもしれません。
ちなみに現報酬はこの報酬から更にブースト倍率が適用されるので時間帯・天候によっては報酬が増額されることがあります。
また、今回の報酬改定について出前館から以下の補足説明があるので、こちらも見ていきたいと思います。
- 過去の受諾報酬をベースにオファー報酬を算定しますので、基本報酬改定後全オーダーにおいて一律で報酬が下がるわけではありません。
- 短距離など一部の人気オーダーは受諾報酬が徐々に引き下がることが予想されます。
- 距離報酬がブーストに統合され、新ブースト率は現在よりもUPします。
上記の補足説明を細かく見ていきます。
『新報酬体系では過去の受諾報酬をベースに報酬を算出する』ということで、極端に報酬が下がることはない模様で、案件によっては現行と同一もしくはアップの可能性もあるかもしれません。
『短距離などの一部の人気オーダーの受諾報酬は徐々に引き下がることが予想される』ことについては、短距離案件は最初はそこそこ倍率つけますが徐々に倍率を下げて最終的には400円になると捉えることもできます。
そして、『距離報酬がブーストに統合されることで新ブースト倍率は現行よりもUPする』ということですが、倍率アップのベースである基本報酬が低いため 現行よりもUPすると言っても焼け石に水な気もしてしまいます…
これらの補足説明をまとめると、「基本報酬の減額で報酬が極端に下がったようにも見えますが新ブースト倍率で以前とそれほど変わらない報酬になるように調整します」と言っているのかと。
ただし、「短距離などの一部オーダーについては徐々に引き下げる」と記載があったように、最終的には400円に引き下げることはほぼ確定ではないでしょうか。
改定後の出前館配達はどうなる?
ここでは報酬改定後に出前館配達がどうなっていくかを解説していきます。
報酬は増える?減る?
具体的な新ブースト倍率は適用されてみないと何とも言えないので、現段階で新報酬がどうなるかは予測することはできませんが、現行よりも報酬が下がることは間違いないかと。
ただ、出前館からの補足説明でもあったように報酬改定後すぐに報酬を極端に下げるということはないと思われます。
いきなり報酬を下げてしまうと配達員離れに繋がる恐れも考慮して、少しずつ時間をかけて下げてくるのではないでしょうか。
最終的にどこまで下げてくるは不明ですが、短距離案件に関しては軒並み400円に統一してくるのではないでしょうか。
特にマクドナルド案件については基本的に短距離となるので、天候が悪いとかでなければ400円で安定しそうな気もします。
報酬改定後の問題点
今回の報酬改定の一番の問題点は現行の出前館配達のシステムのままで報酬を改定してしまったことではないでしょうか。
報酬だけで言えばUberEatsは現状最低報酬単価が300円(条件によっては200円)であり出前館よりも安い状況ではありますが、UberEatsを率先してやる配達員も少なくありません。
UberEats配達が好まれる理由として挙げられるのがストレスフリーな配達環境であり、逆を言うと出前館配達は他社と比べてストレスが溜まりやすい配達環境とも言えます。
その出前館配達のストレスの原因として個人的に大きいと思うのが『オーダーは基本 早い者勝ち』『ピックアップ距離が配達距離に加味されない』『受諾した案件はキャンセルできない』となります。
『オーダーは基本 早い者勝ち』については、出前館ではオーダー受諾の可否は早押しで決まる仕様であり、常に画面を凝視していなければならないというストレスがあります。
ただし、最近はあなただけのオファー(自分だけのオファー通知)の割合を増やしており、以前ほど早押しのストレスはなくなりつつあります。
『ピックアップ距離が配達距離に加味されない』については、現行の配達報酬では現在地から店舗までの距離は配達距離には加味されていません。
当然、新報酬体系の新ブーストに適用される距離についてもピックアップ距離は考慮されないことが濃厚かと思われます。
『受諾した案件はキャンセルできない』については、出前館では一度受諾したオファーは特別な事情がない限りキャンセルすることはできません。
受諾したオファーのキャンセルについては出前館以外のフードデリバリーのUberEats・Wolt・menuでは手順・手間は若干違いますがサポートに問い合わせることでキャンセルが可能です。
以上が出前館配達におけるストレスでありデメリットである部分なわけですが、報酬改定後の配達員離れを防ぐためにも仕様変更が必要ではないでしょうか。
個人的には『受諾した案件はキャンセルできない』が出前館配達における最大のデメリットであり、これを改善することが最優先事項かと思われます。
ただ、受諾した案件をキャンセルできるようにすることは簡単ではなく、最も改善して欲しい点でありながら最も改善できない点でもあるのかと。
キャンセル不可であれば、早押しを完全廃止にして今よりもオファー通知時間を長めにして配達員にオファーを吟味させることでキャンセルできないことのストレスも軽減できるのではないでしょうか。
また、『ピックアップ距離が配達距離に加味されない』件に関しては、店舗から近い配達員にだけオファー通知を送るようにして 近くに配達員がいなければブースト倍率を上げて遠方の配達員を呼ぶということで万事解決な気もします。
配達に関する仕様を変更することはそうたやすいことではないと思われますが、配達業務に関するストレスを減らさないと配達員離れが加速してしまうことも十分あり得ます。
配達員が減れば「出前館で注文しても商品が届かない…」ということが多発し、最終的に出前館での注文も減り売り上げが下がり 最悪撤退ということもあるので、早急に配達環境の改善をすべきかと。
改定後 配達員はどうすべきか?
今回発表された2023年8月からの出前館の報酬改定は、遅かれ早かれ報酬減に繋がることは確定かと。
ただ、報酬減に文句を言っても何も始まらないわけで、改めて配達スタイルを見直す時期が来たとも言えます。
日本でのフードデリバリーは出前館だけでなくUberEats・Wolt・menuもあります。
エリアによっては対応していないフードデリバリーもあるので、他社で配達する選択肢がない方もいるかと思いますが、もし選択できるのであれば個人的にはWoltがおすすめです。
今後どう立ち回るのがベストなのかを改めて考えるべき時期が来たとも言えます。
そして、マクドナルドのダブル解禁はUberEatsだけの話であり、出前館・Woltは現状ダブル解禁はされておらず、複数のフードデリバリーを兼業するのもありかと思います。
Woltは決して報酬が高いとは言えませんが、ピックアップ・ドロップ距離に応じたフェアな報酬体系でもあるので、今後の配達の選択肢に入れるのも十分にありかと思います。
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