出前館 不正注文による詐欺容疑で逮捕<1000回以上の虚偽クレーム>

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今回はフードデリバリーサービス出前館にて1,000回以上の不正注文をおこない詐欺容疑で逮捕者が出た件について解説していきます。

尚、本件については以後「出前館 不正注文事件」という名称で話を進めていきます。

目次

出前館 不正注文の事件内容

ここでは2025年10月に発生した出前館 不正注文事件の詳細内容を解説していきます。

犯行手口

フードデリバリーサービス出前館にて虚偽の名前・住所で会員登録をおこない注文した商品を受け取ったにも関わらず届いていないと虚偽報告をし返金させたとして、愛知県警は詐欺と私電磁的記録不正作出・同供用の疑いで、名古屋市瑞穂区仁所町の無職・東本拓也容疑者(38歳)を逮捕しました。

具体的な逮捕容疑は、2025年7月30日に出前館に虚偽の名前・住所を使ってアイスクリーム12個・うなぎ弁当・ハンバーグなどを注文し それらを受け取った後にアプリ上のチャットで「商品が届かない」などと苦情を申し立てて代金約16,000円を返金させた疑い。

東本容疑者は同様の手口で2023年4月~2025年9月までに計1095回・計約374万円分の不正注文を繰り返していたとみられ「味を占めて何度もやってしまった。すべて1人で食べた」と供述しています。

尚、上記の不正注文をおこなうために 何度もSIMカードを購入して電話番号の変更を繰り返し、約124個のアカウントを作り替えていたとのことです。

以上が出前館 不正注文事件の犯行手口となります。

本件に関しては出前館側は被害者であり、当然悪いのは不正注文をした東本容疑者です。

ただ、こうした不正行為を許容していた出前館にも落ち度があるわけで、出前館も企業としての立ち回りを反省及び改める必要があるのではないでしょうか。

出前館の声明

本件については出前館は「今後、不正利用の早期検知に向けた仕組みづくりなどを通じて、不正に対して毅然とした姿勢で対応していく」とコメントしています。

過去のアカウント不正利用事件の時と同じような声明で 表面上は模範的なコメントとなりますが、本当にコメント通りの対応をしていくのか怪しいところです。

容疑者があの手この手で不正を繰り返して巧みにごまかしていたことを考慮しても、約2年間 1,000件以上 放置していたのは怠慢と言えるのではないでしょうか。

この怠慢な姿勢になったであろう原因については後述しますが、今後ことあるごとに同じようなコメントで一向に変わっていないという状況だけは避けて欲しいものです…

心配される2次被害

今回の事件での心配されるのは、不正注文の対象期間に出前館で稼働していた配達員への被害です。

表面だけ見ると出前館本部が被害を受けたかに見えますが、実際のところ出前館で稼働していた配達員も被害を受けていた可能性が高いです。

というのも出前館稼働において、注文者からクレームが入った場合は配達員へ責任転嫁することが多いからです。

具体例として、注文者から商品が届いていないというクレームがあった場合、該当する配達員は その配達で発生した報酬は没収され、酷い時だと その商品の代金を全額弁償させていました。

当然、金銭面以外にもアカウント停止・アカウントBANなどの処分もあり、本件がきっかけで出前館での配達ができなくなったという人もいるのではないでしょうか。

最近では配達員への責任転嫁の度合いも低くなっている模様で、余程の事が無い限り商品代金の弁償・アカウント停止ないみたいですが、東本容疑者が不正注文を始めた2023年4月頃は配達員への処罰が厳しかった時期でもあり濡れ衣を着せられた配達員がいたのかと。

こうした配達員へ責任転嫁する姿勢なのも出前館の顧客至上主義が招いた結果とも言えます。

UberEatsであれば顧客(注文者)と配達員を同等に扱っているため、仮に注文者から商品が届いていないというクレームが入ったとしても配達員に弁償させたりすることはありません。

むしろUberEatsはクレームが多い注文者についてはアカウント停止などの処罰をくだし、注文者にも容赦ありません。

とにかく本件で冤罪をかけられた配達員がいなかったことを願うしかないわけですが、過去に名古屋市瑞穂区近辺へのお届けで心当たりがある配達員は今回の事件を引き合いに出して出前館サポートへ問い合わせてみてはいかがでしょうか。

濡れ衣で没収された商品代金の返却は難しいかもしれませんが、アカウントBANについては対応してくれる可能性もあるので、問い合わせる価値はあるかと思われます。

何故 出前館は長期間放置したのか?

何故、出前館は2年以上に渡って1,000回以上おこなわれた同様手口を放置していたのでしょうか?

東本容疑者が同一人物とばれないよう巧妙な手口?でごまかしていたとしても、逮捕までに1,000件も返金していたというのは危機管理がないとも言えます。

長期間の放置?気付けなかった?理由については個人的に3つの怠慢があると思っています。

1つ目の怠慢は1アカウントへの過度な許容です。

1095回の不正注文に124個のアカウントを作り替えていたということで、1アカウントあたり約8回の不正注文をしていたこととなります。

初回・2回ぐらいは「商品が届いていない」と言われても 届け先が分かりづらい場所なのかもしれない で済まされるかもしれませんが、それが3回・4回も続くと流石におかしいと気づくのではないでしょうか。

同一アカウントに対して これだけ届かない異変に気付かなかったのも、過去に起きた不正アカウント利用していた不正外人を黙認していた可能性も考えられます。

不正外人で日本語が分からない輩も多かったでしょうし、そうした輩は適当に置き配することも多いでしょうから、出前館では置き配ミスは日常茶飯事で発生していたかもしれません。

そうした不正配達員の存在及び対応の適当さを出前館本部が把握していたからこそ、同一アカウントで5,6回も届けられていないことに何にも疑問を持たなかったのかもしれません。

2つ目の怠慢は支払い・返金の調査不足です。

東本容疑者の押収品を見る限りデビットカードを2枚?使用していた模様で、この支払元・返金先の情報で同一人物が行っていたと気づけなかったのか?という疑問です。

実際のところ各ネットショップでは支払いに関しては別会社が管理しており、今回の件で言うと 出前館本部は支払いに関する情報は把握していなかった可能性もあり、これについては対処が難しかったのかもしれません。

ただ、そうしたことを考慮しても これだけ返金が多いのだから支払い管理会社と連携して身元を確認していれば もっと早く対処できていた気もします。

そして、3つ目の怠慢は同じエリアで起きている状況把握の杜撰さです。

東本容疑者はアカウントごと?に名義・届け先を変更していたということで、名義については まったく違う氏名を使われてしまうと同一人物からの注文を把握するのは困難です。

問題は届け先の方で、仮に毎回届け先を変えているとしても 商品回収のために東本容疑者はそこに行く必要があるので、指定した届け先は自宅からせいぜい1km圏内ぐらいだったのではないでしょうか。

特定エリアの近隣で商品が届かない事態が多発し、同一アカウントで複数回も届いていないとなれば 流石におかしいと気づくのではないでしょうか。

以上が今回の不正注文事件を出前館が放置?した原因と思われる要因となりますが、こうした対応になってしまう根本的な原因は出前館が旧態依然の顧客至上主義であるからだと思っています。

出前館は悪い意味で昔の日本人らしい風土があり、言うなれば「お客様は神様」という思想が強いとも言えます。

そうした顧客至上主義であるが故に、顧客(注文者)が言うことを何でも信じ、その結果 今回の長期に渡る不正注文を許してしまったのではないでしょうか。

出前館が本件について「不正に対して毅然とした姿勢で対応していく」とコメントしていましたが、本気でそう思うなら 今こそ顧客至上主義を脱却し、店舗・顧客・配達員を平等に扱うべきかと。

このまま顧客至上主義を続けていれば今回のように顧客には悪用され、配達員にもそっぽを向かれ 近い将来 サービス終了なんてことも十分あり得ます。

今こそ、昭和館と言われ続ける旧態依然の企業体質から脱却すべきタイミングなのではないでしょうか。

配達員として注意すべきこと

出前館 不正注文事件が各メディアで公表されて 心配なのは不正注文を模倣する注文者が現れることです。

流石に出前館も本件に懲りて、顧客(注文者)からのクレーム対応を改めてくるでしょうけど、配達員としては依然 油断できない状況であることには変わりありません。

今後、本件のような不正注文で配達員が冤罪をかけられないためにも、置き配の案件については注意が必要です。

注意といっても やることは至って当たり前のことで置き配時の写真をしっかりと撮ることです。

置き配写真をしっかり撮ったとて、注文者が届いていないと言ったものなら、出前館は「写真撮った後に商品持ち帰っただろ!」と疑ってきそうですが、それを言ったらキリがないので出前館を信じるしかありません。

配達員として用心すべきは、直接手渡しの注文にも関わらず、注文者が注文者メモで置き配を指定するケースです。

直接手渡しとなっている注文では、アプリ上での写真撮影はできないための、アプリ上で置き配をしたことの証拠を残せません。

このことから、そうしたアプリ上で写真が撮れないケースに関しては、自身のスマホで置き配写真を撮ることと・置き配を希望しているメモ内容をスクショすることをおすすめします。

この2つの情報があれば、後から注文者から虚偽のクレームがあったとしても証拠情報として対抗できるので、多少の手間かもしれませんが やるに越したことはありません。

不正アカウントで不正に配達している人はともかく、普段から正当に配達している人は虚偽注文者の被害に巻き込まれないことを祈るのみです。

株価への影響は?

尚、本件公表後 出前館の株価には影響がなかった模様で、投資家観点からは本件は特別 悪影響を与える程のニュースではありませんでした。

とは言え、ここ直近の出前館株価は著しく低迷しており、2025年7月の決算速報後に暴落し同年9月には直近10年での最安値を記録してしまいました。

その後は若干の値上がりを見せていますが、この値上がりもテクニカル的な要因であってファンダメンタルズ的には当面は厳しい状況が続くのではないでしょうか。

出前館の配達員として現場状況を見る限り 次回の決算報告もファンダメンタルズ的に良い方向に進む可能性は非常に低いと言えます。

ファンダメンタルズ的には悪い方向に向かう可能性が高いものの、すでに底値とも言える株価を叩き出しているので最安値を更新する可能性も低いのではないかと思っています。

これらのことから、今出前館の株を購入しても上昇の見込みは低く むしろ下落する可能性が高いわけですが、かと言って空売りもおすすめはできず、手をつけないのが得策と言えます。

正直な話、今後フードデリバリー業界の業績が好調になるということはコロナのようなパンデミックが起きない限りは厳しいと思っておりフードデリバリー関連の株と当面の間は距離を置くのが無難かと。

最後に

今回は出前館にて1,000回以上の不正注文をおこない詐欺容疑で逮捕された件について解説してきました。

ここ最近の出前館に関する話題は悪いニュースばかりで、そろそろプラス要因となる良いニュースも聞きたいところです。

ただ、良いニュースと言っても期待できるのはウルトラ半額祭のような一時的なキャンペーンであり、それすら今の出前館の体力では難しいのでは?と思ったりもします。

そもそも半額セール的なキャンペーンをおこなうことが良いニュースと呼べる程の価値があるとも言えず、そもそも そういったキャンペーンをやるだけの余裕(予算)があるかも怪しいところです。

とにかく、直近で悪いニュースがでないことを祈るばかりです。

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