今回は2025年7月25日に報道された、出前館の配達員アカウントの不正利用(不正取得・譲渡)事件の続報について解説していきます。
新たな逮捕者・不正行為を行っていた国籍詳細などの報道された内容をはじめ、今後の出前館の展望について紹介していきます。
出前館 配達員アカウント不正利用事件の続報

ここでは2025年5月に報道された出前館の配達員アカウント不正利用事件の続報について解説していきます。
尚、2025年5月に報道された詳細内容については以下の記事にて詳しく解説しているので、本事件の概要を知らない方はこちらを一読願います。
次からは過去の報道を知っていることを前提に、新たに報じられた内容を紹介しつつ私個人の見解を交えて解説していきます。
詐欺容疑で再逮捕
まずは、前回逮捕された山崎光太郎被告に関する情報を中心に紹介していきます。
フードデリバリーサービス「出前館」の配達員として就労資格のない外国人を日本人名義で働かせていた事件で、警視庁国際犯罪対策課は、詐欺の疑いで事件を首謀した山崎光太郎被告(51)を再逮捕した。
他にも、名義を貸した金子貴暁容疑者(30)や、配達員をしていたベトナム籍のグエン・テー・ロン容疑者(28)ら男女6人が逮捕された。
山崎光太郎被告は、2025年5月に報道された出前館 配達員アカウント不正利用にて一度逮捕されているので今回の件で再逮捕となり、それ以外の6人については今回が初逮捕となります。
これらのことから2025年5月時の逮捕者(山崎光太郎被告以外3名)を含めて計10名が逮捕されおり、逮捕者は以下となります。
- 山崎光太郎(51)[東京都中野区]…コンサルタント会社役員 ※再逮捕
- 島田卓磨(32)[大阪府豊中市]…整体師 ※2025年5月逮捕
- 佐野公大容(35)[東京都中央区] ※2025年5月逮捕
- ママトカディロフ・イスカンダルベク・レジャボイ・ウグリ(24)[ウズベキスタン国籍] ※2025年5月逮捕
- 金子貴暁(30)[東京都葛飾区]
- 七澤宏樹(38)[山梨県笛吹市]…看護師
- グエン・テー・ロン容疑者(28)[ベトナム国籍]
- パルダエフ・マンスルジョン・エガムナザロヴィッチ(29)[ウズベキスタン国籍]
- レー・ティ・ホアイ・フオン容疑者(27)[ベトナム国籍]…介護職員
- 他1名
※( )は年齢、[ ]は住所または国籍
尚、2025年5月に逮捕されたママトカディロフ・イスカンダルベク・レジャボイ・ウグリは2025年6月に不起訴となっており、その理由は明らかにされていません。
アカウント不正利用者は約1,400人
今回の続報ではアカウント不正利用者数も更なる人数が公表されました。
譲渡されたアカウントを利用して配達をしていた外国人が計約1,400人に上り、ウズベキスタン人やベトナム人、ロシア人などが東京近郊でフードデリバリーを行っていたとみられるということです。
前回(2025年5月)の報道では外国人150人以上と報道され、その時は私は「氷山の一角」と指摘しましたが 予想通りの結果となりました。
気になる点は「東京近郊」という箇所で、今回不正行為をおこなっていた山崎被告を中心としたグループは東京近郊が活動拠点だったということが予想されます。
アカウント不正取得して配達している外国人は全国の主要都市にいるとも言われているので、山崎被告の犯罪グループが東京近郊のみということであれば、今回発表された人数すらも氷山の一角とも言えます。
これはあくまで私の予想になりますが、日本全国でアカウントを不正取得してフードデリバリー業務を行っている外国人は少なくとも1万人はいると思っています。
尚、今回摘発されたアカウント不正利用した外国人の国籍内訳は以下となります。
- ウズベキスタン人…約1,000人
- ベトナム人…約300人
- ※その他…ロシア人・パキスタン人・ミャンマー人・インド人
基本的にはウズベキスタン人・ベトナム人で ほぼ構成されており、街中で見かける違法フル電動自転車で配達している外国人も概ね この2国籍なのかと。
稼ぎは5,400万円
前回の報道では不正に取得した利益の詳細については報じられませんでしたが、今回新たに利益詳細が判明しました。
山崎容疑者は外国人約1400人を不正に働かせ、仲介料として2022年以降で約5,400万円の利益を得ていたとみられる。
約5,400万というのは あくまで山崎容疑者のみの利益であり、実際に出前館が支払った報酬はこの数倍以上になるのではないでしょうか。
今後も出前館関連で更なる逮捕者が出る?

今回の報道で前回から更に7人追加で逮捕者(うち1人は再逮捕)が出たわけですが、今後もアカウント不正利用で逮捕者が出るのでしょうか?
こればっかりは警察次第と言えますが、私は今後も追加で逮捕者は出ると思っています。
まず今回の件で1,400人の日本人と1,400人の外国人がアカウント不正譲渡・不正取得をしたことが明らかになったわけですが、日本人側の個人情報は全て警察が把握していると思われます。
アカウントを不正譲渡した日本人は全員 犯罪行為に該当する可能性が高く、警察がその気になれば全員逮捕ということもあり得るかもしれませんが1,400人逮捕というのは現実的ではありません。
今回逮捕対象となった日本人は、犯罪グループのトップもしくは より利益を得ていた人に絞っているでしょうから、今後同じグループで逮捕者が出るとすると 次に利益が多い人なのではないでしょうか。
また、今回は1グループのみの摘発となりましたが、フードデリバリー界隈ではアカウント不正利用が横行しているとも見えるので、今後は他グループも摘発される可能性が高く 更なる逮捕者も出るのかと。
とりあえず、出前館を含め各フードデリバリーでアカウントを不正譲渡している人は いつ逮捕されてもおかしくないわけで、心当たりある人は震えて待ちましょう。
更に悪化する出前館のイメージ

つい先日、出前館は最終決算予想が赤字であるという発表があり、その後に今回のアカウント不正利用の続報と、ここ最近出前館の悪いニュースが飛び交っています。
特に先日の赤字予想の発表での株価への影響は大きく、決算予想発表直後 出前館の株価はみるみる下がり ここ数年では最低水準となっています。
それ以外にも少し前の異物混入騒動などのマイナスな報道や株価の下落もあって、日に日に出前館のイメージは悪化していると言えます。
今回のアカウント不正利用の件は今後も続報がでる可能性があり、しばらくは「出前館=アカウント不正利用配達員がいる」というイメージは拭えないかと。
そして、今後心配されるのは 出前館イメージダウンの影響からの顧客(注文者)離れです。
今回のアカウント不正利用が直接注文減に繋がることはないとは思いますが、今後も度重なる不祥事が続けば注文者が減るかもしれません。
すでに配達員界隈では出前館への信頼度は地に落ちており、現状 出前館と配達員を繋いでいるのは他社よりも高めの配達報酬しかないとも言えます。
配達員も裏返せば注文者になり得る存在であり、そうした配達員への信頼を回復するためにもアカウント不正利用者排除を徹底してもらいたいものです。
出前館は本当に取り締まる気があるのか?

出前館は今回の件で「不当なアカウントの貸し出しについての法的対応を含め、断固として許容しない強い姿勢と対応で臨んでいる。不正行為が無くなるよう注意喚起などを行うとともに、継続して不正対策を講じる」とコメントしています。
そうコメントしているわりには、依然と街中では不正アカウント利用者と思わしきフードを被った外国人配達員を多々みかけ、店舗では出前館の商品をピックアップしていく光景を目の当たりにします。
外国人配達員 全てが不正アカウント取得しているわけではないと思いますが、大半の外国人配達員は違法フル電動自転車に乗っており これ自体が犯罪行為でもあります。
現状、出前館がとっている不正対策は顔認証だと思われますが、ここ最近 私が使用している出前館ドライバーアプリでは 顔認証が求められる頻度が激減しています。
真っ当に配達している人からすれば ドライバーアプリで顔認証を頻発されることは迷惑極まりないので 嬉しいかもしれませんが、これはこれで 本当に不正対策をする気があるのかと疑わざるを得ません。
そもそも、約1,400人ものアカウント不正利用者がいたにも関わらず「知らなかった」では済まされないのかと。
これは私の憶測となりますが、出前館運営で本件に関与・協力している人がいたのではないでしょうか。
もし、私の憶測が現実に起きているのであれば、今後 出前館側からも逮捕者が出る可能性も十分あり得ます。
その辺は警察も捜査しているでしょうし、今後の続報に期待したいところです。
出前館が優先すべきこと

直近の出前館関連の報道はシステム障害発生・異物混入騒動・赤字予想 そして今回のアカウント不正利用の続報と、出前館側からすれば踏んだり蹴ったりと言えます。
そもそも、いずれの報道も出前館自身の体質や行いが起こしたものであって自業自得と言えるわけで同情の余地はありません。
出前館としては黒字化のための売上アップが最優先かもしれませんが、本当に優先すべきはアカウント不正利用を含めた不正外国人問題の潔白化ではないでしょうか。
外国人問題は 今やフードデリバリー業界のみならず国全体の注目事項であり、直近の参院選でも争点として戦局に大いに影響したと言えます。
そんな昨今の情勢下で、今後も出前館から不正外国人の続報が出れば更なるイメージダウンは避けられず、そうなれば売上減少に繋がってしまいます。
フードデリバリー業界は今も昔もUberEatsがナンバーワンですが、昨今のUberEatsの注文者・配達員に対する対応に関しては業界ワーストワンと言えるぐらいまで落ちぶれていると感じます。
そんなUberEatsがフードデリバリー業界で独壇場になってしまうことは、フードデリバリーの未来を潰すことに繋がります。
そうしたフードデリバリー事情を考慮すると、配達員目線としては出前館には是非存続して欲しいわけで、そのためにも出前館にはイメージ回復を図って欲しいものです。
ここまで来たのであれば これまで隠してきた全ての不正を洗いざらしにして浄化してから再スタートすべきではないでしょうか。
一時的に出前館の業績は悪化するかとは思いますが、生まれ変わったクリーンな出前館の評判が浸透していけば 注文者・配達員からの支持が増え ゆくゆくは過去最高の業績に繋がる可能性があります。
本件を機に、いっそのこと日本国籍の配達員のみで構成した方が注文者も安心して利用してくれるのではないでしょうか。
とにかく、配達員界隈では当たり前の認識となっている「違法外人配達員=出前館」というイメージを完全に払拭できるよう、行動でしっかりと示して欲しいところです。




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