今回は2025年3月末に発生した出前館のレジ袋 異物混入騒動について解説していきます。
異物混入騒動の事の経緯から「何故異物が混入したのか」「今後出前館はどうすべきなのか」などの話題を紹介していきます。
出前館 レジ袋異物混入 事の経緯

事の発端は2025年3月29日の夜に出前館にて置き配指定した1つの注文でした。
注文依頼を受諾した配達員は店舗から商品を受け取り、利用者自宅を訪ね 玄関前の地面のような邪魔にならない場所に商品を置き、玄関のチャイムを鳴らし、スマホの配達完了アラームでも通知し その場を去りました。
その後、商品を受け取った利用客からカスタマーセンターに「商品に何か入っている感じがする。ムニュっとして、生きているものらしい」という連絡が入りました。
そして、利用客に 商品を入れたレジ袋の外側を写真やビデオに撮って送ってもらうと、そこにはネズミらしき影が映っていました。
この一連の連絡を受け、出前館は翌日の30日に出前館担当者と駆除業者らで利用客に自宅に訪れ、該当の商品を確認したところ体長5センチほどの生きたクマネズミが確認されました。
ネズミと分かってすぐに駆除し客に謝罪したうえで レジ袋ごと引き取り、混入騒動は一旦収まりました。
その後、異物混入を確認した翌々日の4月1日に出前館自らが上記の異物混入事案に関する声明を発表しました。
以上が出前館 レジ袋異物混入の事の経緯となりますが、個人的に注目すべき点は騒動発覚から発表するまでの早さです。
出前館が現地で異物混入を確認したのが3月30日で、その2日後には各メディアに声明を発表しており、異例の早さと言えるのではないでしょうか。
これに関しては、直近の牛丼チェーン店のすき家で発生したネズミ・虫 混入騒動が影響しているのではないかと思っています。
すき家の混入騒動は2025年1月に発生したものの、すき家側はこの事案について認めておらず2025年3月にようやく事案を認めた形となりました。
事案を認めるまでに時間がかかったことが影響しているかは分かりませんが、その後 すき家は全店一時閉店を発表しており 騒動の大きさがうかがえます。
こうした、他社での事例を加味して、出前館は騒動の内容を即受け入れ声明を発表したのではないでしょうか。
出前館の異物混入はどこで起きたのか?

今回の異物混入騒動となったネズミはいつどこで袋に入ってしまったのでしょうか?
配達員が商品を受け取る前の店舗?配達員の移動中?置き配完了後 利用客が回収までの間?のいずれかになりますが、真相は不明のままです。
具体的な商品情報・配達員が寄った各場所の状況が分からないので私の憶測となりますが、最も可能性が高いと思われるのが置き配完了後 利用客が回収までの間なのではないでしょうか。
出前館からの発表によると「お客様の申告ベースになりますが、置き配の通知を受けてからすぐに玄関に商品を取りに行かれたとのことでした」とありますが、本当にすぐに受け取ったか怪しくも感じます。
実際に私が配達をしていて体感するのは置き配後 商品回収をすぐに行わない利用者が多いことです。
別に置き配後 物陰に隠れて監視しているわけではありませんが、その場を離れてもドアの開く音など明らかに分かるような建物なども多く そうした所で明らかに商品を回収していないという場面に多々遭遇します。
真実は利用客当人しか分からないので何とも言えませんが、なかなか受け取らない注文者が多いことは確かです。
それと、ネズミが入った可能性が次に高いと思われるのが店舗内です。
どういった店内なのか分からないのでなんとも言えませんが、私自身多くの店舗にピックアップしてきましたが衛生面で不安になる店舗は多々あります。
具体例として、西新宿にある某ゴーストレストランは調理完了した商品を店の外に野ざらしで置いており、その周辺もいつネズミが出てもおかしくない環境となっています…
こうした酷い店舗はレアケースでしょうけど、昨今話題になったすき家も衛生面管理が問題となっているわけで、店舗側でネズミが入ったとしてもおかしくありません。
尚、出前館からは「現在混入経路については判明しておりませんが、引き続き専門家の協力を仰ぎながら対応を進めて参ります」としており、原因判明作業については現在進行中とのことです。
ただ、混入経路が判明したとしても それが具体的にどこかは発表しないと思うので、真実は分からずじまいかと…
結論として、誰が悪かったというよりは運の悪さが重なっただけなのではないでしょうか。
もちろん各場所の環境・衛生面の問題があるかもしれませんが、ネズミ達も生きるのに必死なわけで 完全に駆除することは不可能に近く 遅かれ早かれ 起こりうるべき事象だったのかもしれません。
出前館が異物混入対策としてすべきこと

今後同様の異物混入事案が起きないよう、私が思う出前館側で対策すべき内容が以下となります。
- 店舗へ梱包をしっかりするよう周知する
- 利用者(注文者)に置き配のリスクをしっかりと伝える
- 違法外人を徹底的に排除する
次から上記内容を個別で解説していきます。
店舗へ梱包をしっかりするよう周知する
今回の異物混入騒動の大元の原因は、ネズミが入る隙間が袋にあったわけであって、異物混入しないよう梱包をしっかりとする(異物が入る隙間を作らない)ことが重要になってきます。
そのためにも出前館から各店舗への周知が必要となるわけですが、実のところ これは現実的に実現できない内容となります。
と言うのも「ビニール袋など梱包資材については加盟店の判断になりますので、本部からこうして下さいと伝えるのは難しい」とのことで各店舗に周知すること自体が不可能だと思われます。
また、もう1つ実現できない理由として、専門家曰く「今回発見されたネズミはレジ袋になる1cmの隙間でも入り込めてしまう」ということで、商品によっては梱包を徹底しても無意味になってしまうからです。
商品の形状・サイズによってはビニール袋をぎちぎちに絞めても隙間ができることは珍しくないわけで、そうしたことを考えると梱包徹底の周知は意味をなさないとも言えます。
これらのことから、異物混入対策として取り上げておきながら恐縮ですが この対策案は現実的に無理があるのかと。
利用者(注文者)に置き配のリスクをしっかりと伝える
この対策案が個人的にもっとも理にかなっていると思っているのですが、出前館で注文し置き配を指定する場合は、置き配によるリスクをしっかりと伝えるべきかと。
具体案として、置き配を選択した場合にこうしたリスクがあるという注意書きを設けて、それに同意しないと置き配にできないことにすることです。
もちろん、それまでの配達の過程で異物混入に細心の注意を払うことが前提となりますが、万が一 置き配後に異物が混入したとしても今回のように大事にはならないかと。
店舗・配達員が細心の注意を払ったとしても今回のような異物混入は完全に防げるわけではないので、利用客の置き配によるリスクの理解も必要になるのではないでしょうか。
違法外人を徹底的に排除する
これは今回の騒動とは少々的外れな内容となりますが、本件を機に違法外人を徹底的に排除するのが今後の出前館のためにも最優先すべきことだと思っています。
まず、ここで言う違法外人とはアカウントを不正な手段で入手し、フル電動自転車をナンバープレートなしで運転している 外国人配達員を示し、主に法人に所属している者を示します。
今回の異物混入騒動で配達を担当した人がどんな人か分かりませんし、それが違法外人だったという確証もありません。
ただ、違法外人の方が今後 同様の事象を起こしうる可能性が高いと思っています。
というのも、今回の騒動で出前館は配達員へ「商品配達時のお願い」メールを送っていますが、違法外人に対しては その効果はまったく期待できません。
そもそも違法外人は衛生面のことのなんて一切気にしてないでしょうし、注文者の商品がどうなろうが まったく気にしないでしょう。
更には今回の件で出前館は悪い意味で世間的注目を集めてしまったわけで、今後何かちょっとした不祥事があろうものならメディアの恰好の的になってしまうのではないでしょうか。
そんな状況の中で配達員の中に違法外人が多数いるとバレてしまっては 出前館の評判はより一層落ちてしまうことでしょう。
こうならないためにも、出前館は本気で違法外人を排除するべきかと。
その後の出前館の対応
今回の異物混入騒動を受けて出前館は再発防止策として、配達員に対して飲食店で商品を受け取る際や配達先に届ける際に商品の確認を徹底するよう対応を強化するという発表がありました。
出前館が配達員へ通達した具体的な内容は以下となります。
商品の受け取り時、お渡し時には、商品に異常がないか、こぼれていないかなど、状態をご確認ください。
なお、梱包を開けての確認はせず、袋の外側からご確認をお願いします。容器の中の片寄りや崩れを自分の手で詰めなおししたり、並べなおしたりすることは一切禁止しています。
配達員は基本的に受け取った商品をそのままの状態で注文者へ届けるのが仕事なわけで、商品の異常確認は業務の範疇外でもあるので、少し納得できない内容とも言えます。
後半の部分は過去に発生した寿司事件の反省を受けてか、過度な商品状態の確認・修正は控えるという内容も付け加えられています。
ちなみに商品に問題が見られた場合はサポートセンターへ連絡してくれとのことで、商品崩れ・こぼれが発生していたとしても故意や重大な過失がない限りは 配達員へ商品代金を請求することはないとのことです。
そして、現状は上記に内容程度にとどまっていますが、何でもかんでも配達員に責任転嫁する出前館であれば今後追加で他の対応策を配達員に強要してくるかもしれません。
実際にありそうなのが、置き配時は注文者が商品を回収するまで陰で見守ってろルールの復活です。
過去の出前館では置き配時は注文者が商品を回収するまで利用者から見えない所で監視していろというルールがあり、今はそのルールは撤廃されたわけですが、今回の騒動を受けて復活するのではないかとも思っています。
仮にこのルールが復活したとすると、今度は利用客から「置き配なのに配達員が陰でこちらを覗いて怖かった」なんてことがSNSで拡散され 再び出前館の悪評が飛び交う可能性も…
とにかく、配達員へありとあらゆることを押し付ける前に、出前館運営側のシステム改善や対応方法の見直しを今一度考えるべきかと。
今後起こりうること
今回の異物混入騒動で発生元の出前館は元より 他社フードデリバリー(UberEats・Wolt・menu・ロケットナウなど)も食品衛生に神経を尖らせてくることでしょう。
UberEatsは出前館のように配達員に何かを強要してくることはないとは思いますが、注文時に置き配を選択した場合は何らかの注意喚起をしてくるかもしれません。
更に今回の出前館の異物混入騒動の少し前に、牛丼チェーン店のすき家でネズミやゴキブリが混入しているという騒動も発生しています。
すき家に関しては、この騒動を受けて一時的に全店舗閉館とし、その後24時間営業を取りやめ 店内清掃時間を設けるという対応をしています。
こうした、相次ぐ騒動を受け 今後 フードデリバリーに限らず外食産業全体に対する世間からの視線がより厳しくなってくるのではないでしょうか。
実際に配達をしていると「衛生管理 大丈夫か?」と思う店舗は数知れず、自分が利用客なら絶対に注文したくないと思うことは多々あります。
そういった実情を考えると今回の出前館異物混入騒動は 食品衛生の面で各飲食店への良い警告になったと思われます。
こうした騒動が起きても相も変わらず劣悪な環境化で調理し続ける店舗も多いと思いますが、消費者(利用客)が敏感になっているであろう今 近い将来 何らかの制裁を受けるのではないでしょうか。

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